第87話 ポーション(sideキロル)
「では早速行きますよ」
「いや…でも遠くないですか?」
「なので走っていきます」
「あの…走っていけるほどの距離じゃないですって」
あぁ…なるほど。彼は人間で私は走るのが得意な犬耳族。普通に考えたらその距離は無理でしょうね。
「では…このポーションを飲んでください」
「3本も?」
「はい。今日中にあそこの…麓、行けたら頂上まで行きましょう」
「あの…このポーションは?」
「それはですね…」
キロルはハジメに説明した。
まず1つ目のポーションは体力強化のポーションでいくら走っても疲れないという効果がある。
そして2つ目は速度強化のポーションで走る速度がかなり速くなる。
そして3つ目、耐性強化のポーション。毒などの耐性をつけてくれる。もちろん寒さなどの耐性も入っている。
余談だが、このポーションはミナルがなんとなく作ってみたが効果が大きすぎたのでキロルに「いざという時に」と渡した物である。
「分かりましたか?私は飲まなくていいです」
「そうですか…いただきます」
そうして3本飲んだ。
「うぅ…結構キツイ…」
「でも美味しかったでしょう?普通は不味いのですから」
「これで不味かったら死んじゃいますって」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「凄い…全然疲れない」
タタタタタ…
キロルとハジメは凄まじい速度でクレイル山脈を目指して走っていた。キロルは息は切れておらず、汗も全くかいていないで涼しい顔をしていた。
ハジメは若干汗をかいているがまだ大丈夫そうだ。
「もう少しスピード上げますよ」
「は、はい!」
その日、大規模な土煙が確認されたのは言うまでもない事であった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はぁ…はぁ…疲れた」
「お疲れ様です。翌日筋肉痛でとんでもない痛みが襲ってくるでしょうが、覚悟しといてください」
「えっ…」
取り敢えず、夜になるまでには麓に着きましたね。流石に頂上に登るのは難しそうです。
キロルは顔面蒼白になっているハジメに話しかけた。
「筋肉痛は仕方ありません。お腹空きましたよね?」
「はい…」
「これどうぞ」
そう言うと、そこには大きな肉があった。しっかり焼けている。
「あの…それは何処から出したのですか?」
「秘密です」
「そうですか…」
どう言っても同じ答えしか返ってこなさそうなのでハジメは諦めてその肉に齧り付いた。肉汁が一気に口の中に広がった。
「うまぁ…」
「味は塩だけです」
「凄いですね。普通に美味しい…」
ハジメは翌日筋肉痛に悩まされる事を不安になるよりも今を楽しもうと思った。
「モグモグ…夜はどうするのですか?」
「私は普通に起きてます。貴方は寝てていいですよ」
「そうですか…」
「大丈夫です。どのみち貴方もやりますから」
「あぁ…はい」
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しばらくキロルとハジメの話です。(たまにミナルの方も書くかも?)
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