第46話 キロル?

「キロルなの?」

「はい、ミナル様。色々あってこの姿になりました」

「色々って…まぁいいや。そんな事話している場合じゃないし、手伝ってくれるよね?」

「もちろんです」


《1人増えただけで?我に敵うものか》


竜は意気揚々と言っている。



見たところ、キロルのその服?装備は鎌と連動している。多分、鎌が進化したのかな。でも、そんな進化できる時なんてあった?



「キロルは近距離で、私は魔法で支援…が普通だけど、私も近距離で魔法を使いながらあいつを倒すよ」

「分かりました。では…行きます!」


キロルとミナルは飛んでいる竜を2手に分かれて囲んだ。ミナルはキロルに念話を飛ばした。


《聞こえるかな?》

《もちろんです。それで…どうするのですか?》

《作戦?うーん…まぁ特にない》

《特になしですか?分かりました。じゃあ自由に?》

《そんなところ。サポートも攻撃もするから任せて》

《分かりました》


そう言って、念話を終えた瞬間にキロルが動いた。


「死になさい」


竜に向かって、鎌を構えた。


《そんな鎌で我の首を落とそうとでも?》


「えぇ。もちろんです」


すると、キロルが鎌を投げた。

鎌が竜に向かってぐるぐると回って向かっている。


《そんな攻撃。避ければいい》


竜は簡単に避けた。そして鎌は下に落ちていった。しかしキロルはそれが目的だった。


「まだ攻撃は終わってませんよ」


《何⁉︎まさか…》


ザキィィィン


竜の翼を鎌がスパッと斬った。竜は疑問に思った。下に落ちていった鎌が何故か戻ってきた事に疑問を隠せなかった。


《そうか、魔力か…》


「当たりです。ミナル様に教えてもらいました」

「えっ?そうだっけ?」

「そうです。思い出せませんか?」

「うーん?あっあれか!ブーメランみたいにするあれ?」

「それです」


ミナルは思い出した。キロルが鎌の練習をしている時に教えた技だと。


あの技は鎌と手に魔力を使って繋げるやり方で、たとえ手から離れたとしても魔力で繋がっているのでブーメランのように戻る事もできるのである。


《翼の1つや2つはくれてやる。再生できるのでな》


そう言うと、竜はメキメキと音を立てて翼を生やした。


「そろそろ、終わらせたいなぁ…」


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