第40話 マカロン

「疲れた…」



モンスターまだまだあるよ…

帰って寝たい…



「にしてもミナル…お前何者なんだ?気になって仕方ない」

「それは秘密です」

「まぁいいさ。しかし…まだ200体ぐらいだからなぁ…今日中には終わらないだろうな」

「なんとなく分かっていました」

「そうか」


グレイドが手を上げて、ミナルに合図をして倒したモンスターを1体、また1体と出していく。そして鑑定をして解体へと回す作業だった。すでに職員達は疲労の色が見えていた。


「多分明日か明後日までかかるのでは?」


グレイドに尋ねた。


「多分な」

「なんか申し訳ないですね」


そう言うと、グレイドはハハッと笑った。


「大丈夫。俺たちはこんな凄い事に手を貸しているんだ。誰も苦情は言わん」

「そうですか…」

「そうだ」



なにかしてあげたい…あっそうだ!

キロルが作ってくれたのが確か…



「一度休憩しませんか?」

「じゃあそうするか。みんな疲れてるからリフレッシュだな、ちょっと待っててくれ」


グレイドはパンッと手を叩いて、自分に注目を行かせた。


「一度休憩にする。どうやらミナルがおやつを持ってきてくれたらしい」

「えっと、これどうぞ」


そう言って取り出したのは、マカロンだった。大量のマカロンがカゴに入っている。

それを聞いて、職員達はワッと盛り上がった。


「マカロン…美味しいやつだよな?」

「一度食べたことがあるけど、美味かった」

「ミナルさん何者?」

「疲れてたからありがたい」


そう言って、ぞろぞろとミナルの周りに集まってきた。


「2個づつでいいのか?」

「はい」

「分かった。2個づつ持っていけよ」


ミナルは一つ一つ手渡しで職員達に渡していった。


「味はどうですかね?」



美味しいと思うけれど、なんとなく聞いてみたい。



すると、一斉に返事が返ってきた。


「美味しいよ。疲れが吹き飛ぶようだ」

「ありがとう。また作ってほしいな」

「旨い」

「これで…頑張れる」


ミナルは誰かに肩をポンと叩かれた。それはグレイドだった。


「好評らしいな」

「そうですね。でもキロルが作ってくれたマカロンなんですけどね…」

「そうだったのか。あいつもSランク冒険者になろうと?」

「はい。私とパーティを組みたいと」

「なるほどな。まぁ応援はしてるさ」

「ありがとうございます」

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マカロン食べたい。


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