第25話 不死身

『不死身』のスキルを説明すると、キロルは納得のいった顔をしていた。


「分かったかな?」

「はい。教えてくれてありがとうございます」

「それで…なんだけど、いくら不死身とはいえ…治癒スキルとかないと困るでしょ?」

「はい。かなりしんどいですね…」

「そこで…」


ミナルはある提案をキロルに言った。


「君に『即時回復』というスキルをあげようと思う」

「『即時回復』ですか?でも…そもそもスキルをあげるのは不可能なはず…」


しかしミナルはスキルをあげる事が出来るのである。


「普通はね。でも『複製』っていうのと『譲渡』というスキルを使えばできる」

「そうだったのですね」


『複製』は文字通りの対象の物をコピーする。そして『譲渡』も対象の相手に物をあげる事ができるのである。


「『即時回復』というのはどんなに手や足が千切れても、瞬時に再生されるスキル。これなら大丈夫でしょ?」


ミナルからみて、このスキルさえあれば大丈夫だと思った。


「はい。ありがとうございます」



あーでも、ここだとなぁ…



「ここだと、やりづらいからある場所に移動するから…手繋いでほしい」

「こうですか?」


若干緊張しているのか手がこわばっている。


「大丈夫だから。じゃあ行くよ」


ミナルは右目の『天翼の眼球』を使って時を止めてから亜空間を発動した。


「手繋いでいないと、キロルもあんな感じになるから」

「は、はい。凄いですね」

「じゃあ亜空間の中に入るよ。大丈夫。亜空間といってもそこまで変わらないから」


そう言うと、キロルは安心したような顔になった。そうしてミナルとキロルは亜空間の中に入っていった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「風が…気持ちいいです」

「でしょ?ここは私の思い出が具現化した亜空間の中。まぁ亜空間は自分の思い出が具現化する場所と思ってもらって構わないよ」


するとキロルは何かに気づいた。


「あの…あれは…」


キロルの目線の先には積み上げられたモンスターの死体があった。


「これ?迷宮で狩ってきたモンスター。ちなみに、時間経過が凄く遅いから腐る事もないよ」

「ご主人様は凄いです。あ、あと…」

「ん?」

「目が凄く綺麗です」

「…」



かわいい。私の疲れが吹き飛ぶぐらい可愛い。もふもふしたい…

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ミナルが何かに目覚めそう(小並感)


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