第24話 自己紹介

「わ、私がこんな物食べていいのですか?」

「うん、いいよ。見た感じ全然食べてなさそうだし」


不死身なので食べなくても生きていけるのだが、やはり食べないと体は衰えてしまう。

ちなみにお金は無一文だったのだが、ニルドが「感謝の印です。彼女を救ってくれてありがとうございます」とお金を渡してきたのであった。


「取り敢えず、食べ終わってから話そう」

「分かりました」


そう言うと、彼女は食べ始めた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ありがとうございます。私なんかのために…」

「雇う側として当然の事だよ。美味しかった?」

「はい。全部美味しかったです」


さっきまでげっそりとしていたのに、今はニコニコしている。


「じゃあ、自己紹介かな。私はミナル。冒険者をしている。今回は戦闘奴隷を買うためにあそこに来た」

「えぇと…1つ質問していいですか?」

「うん。いいよ」

「目を閉じているのは何故?」



やっぱそれ聞かれるよね。でもこの子なら話してもいいか。



「簡単に言うと、目が見えていない」

「えっじゃあなんで…」

「魔力感知で見ているの。まぁ色とか分からないから不便だけど…」

「そうだったのですね」

「あっでも一応、目はどっちもあるの。それが少々特殊で…だから目を閉じている」

「分かりました」

「じゃあ次は君」



一応、名前やスキルなどは分かっているけど…自分から言って欲しい。



「わ、私はキロルと言います。種族は犬耳族です。この度は私を買ってくれてありがとうございます」

「…もふもふしたい」

「えっ?」

「あっいや。自己紹介ありがとう。獣人って事でいいんだよね?」

「はい。獣人です」



自己紹介も済んだ事だし、本題に入ろう。



「本題に入るけど…まず、君は自分のスキルに気付いてる?」

「スキル…ですか?生活系のスキルとかならありますけど…」

「やっぱりか…じゃあ言い方悪いけど、

病気になってからなかなか死なないなぁ〜とか思ったりしなかった?」


そう言うと、キロルは少し考えてから言った。


「1年も経たずに死んでしまう病気だったので、あれ?とは思いました」

「それ。それが君のスキルだよ。死にたくても死ねない。『不死身』のスキルを君は持っているのさ」

「『不死身』ですか…」


ミナルは『不死身』のスキルについて説明し始めた。

_________________________________________

こいつ…死なないだと⁉︎


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