第10話 強くなるために⑨

目を開けて、時空が歪むように念じた。

するとカチッと何かが変わった音がした。


「範囲は…無限にして欲しい…」


そしてカパッと何もない所から人1人分入れるぐらいの穴のような物が出現した。


「出来た…でも気になる事あるんだよな」



この中ってどうなってるんだろう?何もない?それとも…



ミナルは亜空間が開かれてる所の地面を触りながら手を亜空間に伸ばした。そうすれば地面が続いているのか分かると思った。


「地面が続いている…」


どうやら中に入った瞬間、落下していくというのはないらしい。


「入ってみよう…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ザァァァァァ…


「何…ここ…」


亜空間の中に入ると、木が一本生えた丘や家などがあった。風が吹いていてなんだか心地いい。


「何か…見覚えがある…あっ!」



ここおじいちゃんの家だ。あの丘でよく本を読んだり滑ってたりしてたなぁ。そういえば…亜空間の中身は、その作った本人の1番の思い出ってあの本に書かれてた…言われてみれば確かにそうだね。



「となると…あの沢山の本は…雨も降らなさそうだし、外に並べていく方がいいか。家には入らなさそうだし。それに…」



あの本で、外の世界で1年経つにはこの亜空間のなかで1000年過ごさないと1年にはならないって書いてたから全然大丈夫だと思う。



「じゃあ…さっそく運んでいこう」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「怪力スキル…凄い…」


ミナルは最初、どうやって運ぼうか悩んでいた。しかしミノタウロスの肉を食べた事でミノタウロスのスキル、『怪力』を入手していた。


そしてそのスキルを使って1個、また1個と運んでいったが全然減らないのでまとめて運べるのではないか?と思ってやってみた所、全然運べたのであった。


「なんか片手で持てるって変な感じ…」


そして気づけば全ての本棚を亜空間へと運んでいた。


「はぁ〜終わっt…ん?」


奥の方に宝箱のような物があった。

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