第5話 強くなるために…④
「まずはどうやって視界の代わりとなる物を考えないと…」
しかしそれはすぐに解決した。
「魔法…魔力…あっ!魔力感知…」
魔力感知というのは自分の魔力を薄く伸ばして対象の物を感じ取るスキル。このスキルは魔力があれば誰でも取れる。
幸い、魔力は普通の人よりもあるのでなんとか出来ると思った。しかし根気強くやらないも取れないスキルでもあった。
「でも…私はこれしかないんだ…」
どんな感じにやればいいのか分からなかったが自分なりにやってみた。
「むむむ…魔力をもっと…薄く広く…」
意識しなくても出来るぐらいに上達しないと目の変わりにはならないと思った。
幸いにもこの宝箱があった部屋はあのミノタウロスが入れるような大きさは無いので大丈夫だと思った。
魔力を伸ばすとあるところで何か止まるような感触があった。
「これが…この部屋の壁?」
グググっと魔力を込めると壁を伝って上に登っていった。
「取り敢えず…今日はここまで…」
かなりの魔力を消費してしまった。ミナルの全体の魔力が10とするならば、8ぐらい使ってしまった。そのぐらい魔力の消費が激しい。
「これを1日に最低1回はしよう…」
そうしないとダメだと思った。
グギュルル…
「まずい…」
ミナルは最後に食べてからもう何日も食べていなかった。そして水も無かった。
「もうあれをどうにかして狩るしか…」
それはミノタウロスを倒す事だった。
唯一、ミナルが勝っている部分は時を止める事が出来る。それを使って倒すしかないとミナルは思った。
「明日…明日が運命の分かれ道かな…」
日にちも何も分からないがなんとなく明日がデッドラインだと思った。
「そういえば…」
昔、何かの本で魔力を全て放出すると魔力酔いみたいな事が起こるって…それで気付くと魔力量が増えるって書いてたよね。
「やってみるか…」
ミナルは残りの魔力を薄く伸ばした。するとある時点で魔力が放出する事が出来なくなり、ぐにゃりと何か酔う感じがした。
「これが魔力酔い…あれ?」
動けない…指も顔も硬直してる…
ミナルはその場で立ったまま半日動けなかった。
「今度は寝転んでやろう…」
ミナルは後悔した。
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