第4話 強くなるために…③

鑑定をして結果が出た。


「どれどれ?」



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天翼てんよく眼球がんきゅう


大昔に神が作ったとされる目。時空間に干渉する事ができ、時を止める事も出来る。しかしそれを1度着けるとに視力を失う。もう一つの義眼を見つける事が出来ればどんな事でも出来ると言われている。


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ミナルはそれを見てかなり驚いたものの言いたい事があった。


「目失ったから見えないんだよね…」


説明で完全に視力を失うと書いていたものの、とっくに右目が無くなっているので少し笑ってしまった。


「まぁ…つけてみよう」


天翼の眼球を右目に近づけるとスポッと音がしてハマった。丁度ピッタリだった。


「絶対目立つよ…これ」


カチカチ…カチン


天翼の眼球の何かが動き出して止まった。それに伴いミナルは自分の体の異変に気づいた。


「あ…れ?力が…入らない…」


バタっと倒れ込み、そのままミナルは意識を失ってしまった。


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「うぅ…」


ミナルは目が覚めた。


「どのくらい寝てたんだろう…」


体を起こして、状況を確認しようとした。しかし確認する事が出来なかった。


「あ…れ?見えない…」



おかしい…左目はあったはずなのに。なんで?



ミナルは自分の左目があるところを触ろうとした。しかしその左目は無かった。


「まさか…そうゆう事なの?」



あの鑑定結果で1度着けると視力を完全に失うって…両方の目を失うという事?



信じたくはなかったがそれしかなかった。しかし分かった事もある。


「よく分からないけど…この目の使い方なんか分かる…取り敢えず、やってみよう」


閉じた左目を開けた瞬間、眩い光が辺りを包んだ。そして光が止むと音も何もしなくなった。


「時が…止まった?」


何も見えないので分からないが、試しに地面に転がっている小さな石を持って投げた。

すると手から石が離れた瞬間ズズズ…と空中で止まった。


「あとは目を閉じれば…」


開けた左目を閉じた。するとカランコロンと音がした。何も見えないが、おそらく石が動き出して壁が何かに当たったのだろう。


「これなら…なんとかなるかも?でも…」


あのミノタウロスを倒す事が出来るかもしれないと思った。しかし視力は無くなり、武器は杖のみ。倒す術が無かった。しかし…


グギュルル…


「お腹空いた…」


1番の問題は飢えだった。


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