第10話 あの日へ戻る場所

子供のころ、セサミストリートや、オズの魔法使い、

トムとジェリー、ローラースケート場の競技。

アメリカ制作の番組が多かった。


音楽が流れても、英語ばかりで、さっぱりわからなかった。

セサミストリートは、鼻歌で、歌詞は、ラララ~♪だった。



♪~

木立ちぬけて走るのよ、森の中ふたり

誰もいない、この森は

ふたりだけの世界



12歳年上の従妹がいた。

家には、黒いピアノがあった。

いつも、黒猫のタンゴのレコードをかけてくれた。



お姉さんは、職場で麻丘めぐみに、似てると言われたらしい。

で、レコードを買った。

遊びに行くたびに、聴いた。


「森を駆ける恋人たち」の歌が好きだった。



母は、7歳のわたしが、あんまり歌うので、アニメのレコードをすすめた。

見たことのない、アニメソングのアルバムを買ってくれた。

どれも、あんまりだった。


それから、テレビで漫画が多くはじまった。

アニメの内容よりも、アニメソングを歌うのが楽しみになった。

カリメロは好きだった。


当時、函館駅前近くにあった、北斗電機で。

キャンデーズの「哀愁のシンフォニー」のレコードを、欲しいと言った。

ジャケットが大人っぽかったので、「夏が来た」のレコードを買わされた。


大人の権限で、希望が叶わないことが多かった。



でも、たくさんの歌と、アニメの主題歌を聴いて育った。

雑誌の付録の歌詞本をみて、アカペラで歌った。

高校時代、カセットカラオケで、家で歌った。

19歳になると、はじめて、スナックでカラオケで歌う。

見知らぬ人の前で、歌詞カードをもって歌うのは、嫌だった。


いつも、最後まで、歌わずに、終了した。


そして、カラオケボックスが登場した。


歌好きの私たちは、はまった。

夢のような、機械の登場だった。



しょうこちゃんは、歌が上手い。

中学時代、合唱コンクールの練習でのことである。

わたしたちの前にいた女の子が、振り向いていった。


「うしろから、へんな声と、きれいな歌がきこえる」と・・・。


しょうこちゃんと、わたしは、顔を見合わせた。

わたしが歌うのをやめたら、変な声が消えた。


そんな、いきさつもある通り、スナックで歌うのは、苦手だった。

いつもしょうこちゃんと、一緒でないとダメだった。


しょうこちゃんと、しずえちゃん、わたしは、歌好き。

カラオケボックスの誕生は、私たちを夢中にさせた。

ふたりの歌を聴くのも好きだった。

本当に、ふたりとも、うまい。


70年代も歌える、5~6歳、物心ついた時から、ラジオやテレビから流れる歌を歌ってたと思う。


わたしは、家の階段を上り下りするときも、歌った。

しょうこちゃんも、お姉さんと歌っていたと話していた。

寝る前も、妹と歌った。


ベストテンは、毎週の楽しみだった。

歌謡曲や、音楽の時代である。

歌は、心を癒してくれる。

当時に、タイムスリップできる。


カラオケボックス登場で、歌を聴く、歌うことが、3人の楽しみになった。

いつも、私たちが出会った1980年代の歌を、メドレーで歌う。


出会った日のことを、思い出さずにはいられない。

そして、これからも、歌い続けると思う。


14歳、15歳で、仲良くなってから、ずっと続いている。

いつまでも、タイムスリップできることを知っている。


カラオケボックス。

夢のハコ。

ここへくると、戻れるよ。


いつも、いつも、ありがとう。


これからも、よろしくね。



続・ガールフレンズでした、おしまいです。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

続・ガールフレンズ haruto @picture-saru-5431

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る