第2話 学校でのアイツ
そんな鮎夢の学校での生活は家とは打って変わって真面目で違う雰囲気でいた。
ayumu に似ていると思われない為にも、眼鏡かけて小細工していたのだった。
明るいのは明るくしているんだけど……
何か別人みたいで……。
勿論、私達は同じクラスであって、同居してるなんてバレたら大騒動になりそうで ―――
「ねえねえ、鮎夢君ってカッコイイのかな?」
「えっ?さあ?」
「眼鏡かけてる所から、かなりのカッコ良さじゃない?」
親友の、坂野 裕佳子(さかの ゆかこ)
私とは正反対の性格の彼女だけど……
「そうかな?カッコイイだけの取柄も…どうかと思うけど」
「えっ?」
「いや、そんな気がするだけ」
その日の、夕食後 ―――
「お前、もっとテキパキせんかいっ!」
「うるさいなっ!だったら、あんたが洗えば良いじゃんかっ!」
私達は後片付けをしつつも、言い合いながら洗い物をしていた。
「あーーっ、もうええっ!俺が洗たる!」
入れ代わる私達。
「お前、一生主婦向いてへんな!料理下手、洗い物も下手、お前花嫁修業、今からした方がエエんちゃうか?女子力、全っ然あらへんやん!」
「別に女子力無くったって生きていけますぅ~。あんたこそ、横から口出すの辞めた方が良いんじゃない?嫌われるよ!」
「俺はええんや!やる事沢山あるんやし、全然出けへんのとちゃうし!お前よりは出来る方やから一人でもやっていけるんや!」
私達は騒ぐ。
「もう一人かぞくが増えたみたいで騒々しいけど楽しいわよね?」
「そうだな」
数日後 ――――
「邪魔や!どかんかい!」
「何よ!避ければ良いでしょ!?真っ直ぐしか歩けない生き物じゃあるまいし!」
「お前が道塞いでるから避けたくても避けれへんのや!ダイエットした方がエエんちゃうん?」
「失礼な男(やつ)!私は、平均なんです!」
「自分の思い込みやろ?」
「はあぁぁっ!?」
私達は騒いでいた。
ある日の事。
「きゃ~♪愛しの ayumu く~ん♪」
テレビに向かって叫ぶ私。
「アホ!」
「何よ!あんたと違って、ayumu は全っ然良いんだからっ!ほらっ!向こうに行って!シッ!シッ!」
「俺は野良犬かっ!」
「野良犬以上より出来の悪い犬!」
「何やと!」
「ほらっ!向こうに行って!」
「はいはい。……何が ayumuく~んや!俺かて鮎夢やぞ!人の名前を何度も連呼すな!アホ!」
そこへ ―――
♪♪♪~
着信が鳴った。
「はい!お疲れ様です……。はい。はい。……えっ!?明日ですか?えらい急ですね!分かりました。何とかして行きます」
次の日。
理由は分からないものの、鮎夢は朝早く出て行き、学校を休んだ。
その日、夜遅くに帰宅。
次の日、鮎夢は授業中、居眠りが目立っていた。
その日の夕食時。
「鮎夢ーー、ご飯だよーー。鮎夢ーー、入るよーー」
カチャ
鮎夢の部屋のドアを開ける。
「鮎夢…?なーんだ…眠って……。ん?…楽譜?……へぇー…コイツ見掛けによらず作詞作曲してる訳?」
私は目を通す。
「良いじゃん!」
「んー……」
目を覚ましつつある鮎夢。
「うわぁっ!ビックリした!何してんねん!」
「えっ?あっ、いや、ご飯だよって呼びに来たら鮎夢眠ってて……」
「ああっ!!」
ビクッ
バッと楽譜を取り上げる鮎夢。
「お前…見たんか?」
「えっ!?あ…うん見たよ」
「…見掛けによらず作詞、作曲、良いのかけてるじゃん!」
「…アカン…」
「えっ?」
「何でもないっ!すぐ行くから先に行きや!」
「あ……うん……」
私は部屋を出る。
「……アカンやろ……書き直しやん……」
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