あれから
出張先の知らない土地に吹く二月の冷たい風は、今の僕の心情に重なっていた。
孤独で悲壮感に襲われ死にたくもなり、心臓が締め付けられるように痛みがひろがり、涙がこぼれる。
あれから何を見てきただろう。失敗ばかりで、他人の足を引っ張るような光景しか思い出せない。視界に映る人間の表情はどれも「役立たず」を訴えていた。
こんな自分が嫌いだ。
歩いてきた道は、どれも悲劇しかなかった。幸せは見付からなかった。
あったとしても誰かに拾われるか、僕には手に取ることの出来ない場所にあるからだ。
幸せはどこにでもあるが、誰にでも手に入るモノではないのだ。
世間は「幸せとは、お前のような考え方をする怪物から離れていく。お前には贅沢なのだから」と警告する。
つらいな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます