怪盗キャット・アイ


(*:恋人の優子さんです)


 警視庁捜査特課の刑事である博の自宅に、恋人の優子さんが訪れます。今日は博の誕生日なんです。


「やあ、優子、いらっしゃい! 中に入ってくれ」


*「こんばんは、博。お誕生日おめでとう!料理とか作るからね!」


「毎度すまないなー、優子」


*「いいのよ。あなたったら、本当、休みもほとんど取らずに働くんだから、、」


「まあ、なんだかんだで事件が多くてな。優子には済まないと思ってる。」


*「仕事柄だもんね、仕方ないけどねー」


「それでな、優子。実は今晩、『怪盗キャット・アイ』から予告状が届いてるんだ!」


*「え、あなたが前から言ってるやつ?」


「そうだ!何故か俺だけに挑戦してくる不届きな怪盗なんだ!」


*「怖いわねー。予告状って、なんて書いてあったの?」


「それが、『あなたの大事なものを頂きます!』だけなんだよ。俺の大事なものといったっら、なんていっても君だ! だからすまないが、今日も一緒に過ごさせてもらうよ!」


*「それは渡りに船、、いやいや、良いわよ、もちろん!せっかくの誕生日なんだから、二人でゆっくりしましょ!」


「キャット・アイめ、こんなマンションの10階にどんな手で入ってくるっていうんだ、、」


*「スパイダーマンみたいに壁を登ってくるのかな?」


「10階だぞ、ここ!落ちたら絶対死ぬぞ!」


*「うーん、それはリスクが大きいか、、じゃあ、逆に上から降りてくる?」


「でも、ここ20階建てのタワマンだからなー。上からでも危険すぎる!」


*「そうねー。じゃあ、意表を付いてヘリで窓から?」


「音が大きいし、目立ちすぎるだろ!」


*「じゃあ、風船に乗って、、」


「風船おばさんか!」


*「おばさんなんて、失礼な! あ、そうじゃなくて、、じゃあ、大量のカラスに乗って、、」


「『ケケケの与太郎』か!」


*「傘で空から降ってくる、、」


「メアリー・ポピンさんか!」


*「うーん、じゃあどうすればいいんだろー?」


「だろう? 玄関だって、セキュリティが掛かってるから入って来れないだろうし、、」


*「難しいわね、、」


「流石の『名探偵・優子』でも無理だろう!」


*「何言ってんの!」


「いやいや、君には『準教授の恐妻 恐喝事件』やら『アラブの秘宝セット 窃盗事件』やら『大物脱税犯ドーント 国外逃亡事件』やら、事件の度にトリックを見やぶる貴重な意見を貰ってるからなー」


*「偶々よ、、そんなのいいから先にお風呂に入って。私は夕飯の準備をするわ」


「そうかい、すまないね。じゃあ、お先に」 -----


*『よし!今のうち!キャット・アイ、行動開始! うーん、洗面所、台所に玄関、肝心の寝室、、、泥棒猫の痕跡は無いわね! ちょっと失礼して財布にスマホ、、特に異常無しか!あとはこいつを用意して、、』


「ああ、さっぱりした! お風呂、お先。君もタイミングが良い様だったらさめないうちに入れば?」


*「ありがと! で、博!カーテンを締めようと思ったらこんなものが窓に貼ってあったわよ!」


「手紙? なになに、また予告状か! どれ、『都合により、今日の犯行は中止します』だとー!キャット・アイめ、勝手な奴だ!」


*「でも進入経路は外からだったのね。どうやって来たんだろ?」


「うーん、ベランダには何の痕跡も見当たらないし、、何の被害も無いなら、まあ良いか、、奴め、とんだ愉快犯だ!」


*「そうね、だいぶ愉快かも、、 いやいや、じゃあ、今夜は何の気兼ねも無く二人でゆっくり過ごしましょう、、、



 『キャット・アイ、任務完了! 今回はあなたの大事な時間を頂きました!』 」




(コント・落語できるかな? コメディにはなったかと、、、)


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