ワシワシ詐欺


(二人コントです。落語調も有りかも。 *:おじいさん役の詐欺師です)



ある日、おばあさんに電話が掛かってきました。



「もしもし、、」


*「あー、ワシじゃけど、」


「ワシって、誰ですか?」


*「ワシじゃよ、ワシ!」


「えー! おじいさん!」


*「そ、そうじゃよ、じいさんじゃよ。あんたもワシの声を忘れるなんて、人が悪いのー」


「だって、おじいさん、昨年、亡くなったじゃない!」


*「そ、そうじゃっけ? 忘れとったわい!」


「だめじゃない、そんな大事な事、わすれちゃ。 で、今、どこから掛けてんの?」


*「て、天国じゃ」


「そうなんだ、わざわざありがとう。で、元気にしてる?」


*「いや、もう死んじゃったからのー。元気も何も無いんじゃが、、、」


「まあ、そうよね」


*「でも、のんびり暮らしてるわい。あんたも来るかい?」


「また、そんな口の悪い! あいかわらずね、本当!」


*「ワハハハハハー」


「でも、きっとそのうち行くからね。待っててね」


*「はっはっは、まあそんな急がんでもえーけんのー」


「何か変な訛りが入ってるけど、どこの訛りなの?」


*「お、おー。これか、天国訛りじゃー」


「そうなんだ、天国にも訛りがあるのね」


*「そ、そうじゃー。うつっちまったわい!」


「へー、そう! で、あなたがわざわざ電話してくるなんて、何の用?」


*「いやのー、少しお金を送ってもらおうと思って、、、」


「何、またなんかやらかしたの?」


*「こっちの大事な壺をうっかり落として割っちまってのー」


「全く、そそっかしんだから!」


*「わりー、わりー」


「で、いくらなの?」


*「30万円じゃ」


「そんなにするの?」


*「何せ、大事な壺じゃからのー」


「でも、30万円なんて無いわよ! あんたも何も残してくれなかったじゃない!」


*「そうだっけ? ごめんごめん」


「だから、送れないわよ!」


*「そこを何とか工面して送ってくれないかのー」


「無い物は送れないでしょー」


*「そこをローンとか組んで何とかならんかのー」


「そんなー。街中まで行ったり、なんだかんだでお金が掛かるわよ」


*「そうなのかい? いくらかかるんじゃ?」


「まあ、1万円ね。これ送金してくれる?」


*「そ、そうじゃのー。どこへ?」


「xxxxまで」


*「じゃあ、後で送るでのー」


「宜しくね」


*「じゃあのー」


「またね。暇な時は電話してね」


*「分かったわい。じゃあのー」


「じゃあね」


ガチャ。


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で、電話の後です、、、


*「ああ、疲れた、、」


「はあ、良い暇つぶしになった! 私、独身だっちゅうの!」







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