第17話テレビ、取材
テレビ出演や雑誌の取材が、ブタ食うメシを書いてから多くなった。
テレビでは、「どうして小説家になろうと思ったんですか?」
という質問をされる。
「友達に誘われて書いただけです。」
と未来は、正直に答えた。
「それで、ベストセラーになってすごいですね。」
「ありがとうございます。」
「学校生活は楽しいですか?」
「楽しいです。」
「好きな同級生とかいないの?」
「今のところいません。」
理恵と翼は、友達として好きだった。
「モテるでしょ?松本先生は可愛くて美人だし。」
モテないかと聞かれると正直モテる。
でも…。「モテませんよ。」と答える。
それから、雑誌の取材やらラジオやらに出て質問に答えた。
いつも、礼二が取材には同行してくれた。
そんな中、茂から短編集を書いて欲しい依頼された。
『美しい見えぬ顔。』
『犬いる生活。』
『子供ペット』
を発表した。
『子供ペット。』が大バッシングを受けた。
子供ペットは、子供が生まれた時に脳の手術をして親の理想の子供にしてしまうという話しだ。
マスコミは、手の平返ししたように未来を責めた。
しばらく、未来は書くのを止めた。
茂からは、頭を下げられた。
書く事を封印されて、少し未来は気持ちが軽くなった。
普通の中学生を過ごす事が出来た。
理恵と翼と図書館で勉強したり、公園で遊んだり、花火を見に行ったり。
普通の事が楽しくて仕方なかった。
夏が過ぎ秋になっても三人で遊んでいた。
もう少しで高校生になる冬、形だけの進級試験を受けて三人は高校生になった。
未来の、小説がまた求められた。
マスコミも、未来の報道をしなくなっていた。
茂にペンネームで小説を書く事を薦められた。
三人でペンネームを考えた。
考えた結果、花火丸というペンネームに決めた。
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