第16話ベストセラー
ブタ食うメシが、ベストセラーになりアパートで茂、礼二、理恵、翼が集まった。
祝賀会を、茂が提案してくれた。
「おめでとうございます!松本先生。」
「ありがとうございます。」
未来は、茂に渡された本を見て照れくさそうな顔をした。
「ボウリング行くか?」
礼二が冗談交じりに未来に聞いた。
「嫌です。」
と未来は答えた。
「今日は、スペシャルゲストが来てくれてます。どうぞ。」
佐智が、部屋に笑いながら入って来た。
「お母さん!」
未来は、佐智に抱き付いた。
「未来、ちゃんと自炊して洗濯して掃除してるみたいね。」
佐智には小説の事は分からないが部屋の中を見れば未来がどういう生活をしているか分かる。
「散々、田舎でしてきたもん。」
と未来は嬉しそうに答えた。
「ブタ食うメシか?あれは読ませてもらったけど面白いって事しかわからねえな。」
つい佐智は訛が出てしまう。
「そりゃ、母ちゃんの子供やもん、自分でも書いてで面白い事しか想像しとらんもん。」
未来も、つい訛が出てしまう。
茂が、少し咳をして乾杯!と言った。
「乾杯!」
佐智は、みんなにお酌して回って未来をよろしくと泣いて回った。
未来も、佐智の小さな背中を見て泣いた。
佐智は、仕事があるのでその日の内に帰った。
部屋に残ったのは、未来と礼二と翼、理恵だけだった。
茂は、未来のおかげで副編集長になった。
そのため仕事が多忙になり先に仕事に戻った。
四人で改めて乾杯した。
「未来、何でそんな才能っていうか、想像力があるんだ?」
と翼が未来に聞いた。
「分からない。自分でも。ただ、ふと浮かぶんだよね。」
と未来は複雑な顔をして答えた。
「俺は、人間ペット読んで一発屋だと思ったけどな。」
礼二がビールを飲みながら言った。
未来は、顔を真っ赤にしてむくれた。
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