第7話恋患い

アパートに戻った未来は


翼に電話した。


【どうした?】


【好きになってはいけない人好きになった…。】


【例の上司か?】


【うん。子供も奥さんもいるのにわたしどうかしてるよね?】


【恋ってそんなもんだろ。常識なんて消えちゃうんだよ。】


【どうしたら良いのかな?苦しいよ。】


【会社を辞めるか、告白だな。】


【そういえば翼は好きな人に告白したの?】


【してない。一生しないと思う。】


【それじゃあ、ずっと片想い?】


【ああ。】


電話を切ると春馬から電話があったが取らなかった。


ビールを飲みながら夜空を未来は眺めていた。


スマホを何気なく見つめてると礼二から電話がきた。


【どうした?】


【何がですか?】


【田中先生から電話あったぞ…。俺のせいか?】


【別に…。】


【俺のせいなら謝る。】


【何で謝るんですか?】


【俺はな…。別に何でもない。】


【田中先生には悪い事をしました、後で謝罪しておきます。】


【それは良い。俺が話をつけた。】


【ありがとうございます。】


【でもな、プライベートだからって作家と編集者が手を繋いでデートはまずいだろ。お前も社会人なら自覚しろ!】


【上野さん、一つお願いしても良いですか?】


【何だ?】


【いえ、やっぱりいいです。】


【そうか、早く寝ろ。明日から長谷川も出て来る、気をつけろよ。】


未来は、その後、礼二にワガママを一つ言って電話を切った。

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