第2話 サバ缶

 アキオ「僕は今スシが食べたいんだ!!!」

 カオル「いや!!!私はヤキニクが食べたいの!!!」


 あなた「やれやれ、君たちは本当にくだらないことで言い争うのだなぁ」


 そう思ったあなたは札束を取り出し、二人に渡します。


 あなた「ほら、食べたいものをお食べなさい」


 アキオ「やった!ありがとう!!」

 カオル「これだけあれば、いつもより高いお肉が食べられるわ!」


 あなたからお金を受け取った二人は、早速スシとヤキニクを食べにいくのでした。


 あなた(フフフ……これでいい。これでいいんだ。)


 二人を見送ったあなたは、家の地下倉庫に向かいます。


 その倉庫は、一面「サバ缶」で埋め尽くされています。

 そう。あなたはこの地域で一番の「サバ缶」コレクターであり、「サバ缶」愛好家なのです。


 あなた(あぁ、たまらんなぁ。これらすべて私のものだ。)


 あなたは欲しいサバ缶があれば、それが世界中どんな場所にあっても、そしてどんな金額であっても、買います。


 あなた(こんなにサバ缶があることを他の奴らに知られたら、すぐに食べられてしまう。)


 あなたはサバ缶が好きすぎて、周りの人々が自分の集めたサバ缶を食べに来ることを心底恐れています。


 あなた(ここにあるサバ缶は私だけのものだ。誰にも渡さない。)


 ですが、あなたは気づいていません。周りの人はそれほどサバ缶に執着がないことを。

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