第6話「死んでる女の子」
「それが私のあなたへの想いです…私、本当に死んじゃっているんですけどね……」
女の子はそう言って哀しそうに笑った。
哀しそうに笑うその女の子はゾンビちゃんだ。
既に死んでいるのに動く女の子、それがゾンビちゃん。
ゾンビちゃんの心臓は停まり、血液が流れることは二度とない。
それでも確かにゾンビちゃんの心は鼓動を奏でている様だった。
胸の高鳴り、心の鼓動、死んでも大好きという想いを抱くゾンビちゃんは確かに死んでいた。
俺はチョコの表面に書かれた赤い色のメッセージと目の前にいる哀しい笑顔を浮かべる女の子の言葉、その二つが奏でるラプソディが痛くて仕方がなかった。
そして、俺は箱に入ったそのハート型のチョコを手に取って口に放り込んだ。
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