第5話「赤い色のメッセージ」
「あっ!あっ!ちょっと!みんなは見ないでよ!恥ずかしいから!」
箱の蓋を開けた瞬間、女の子は恥ずかしそうにそう言った。
恥ずかしそうにしているその女の子はゾンビちゃんだ。
ゾンビちゃんは死体の様に真っ白い肌の頬を紅潮させることなく照れていた。
ゾンビちゃんがどんなに恥ずかしくても、どんなに照れていても、その真っ白い頬が紅潮することはない。
血が通うことなく、死体の様に真っ白い肌を持つ動く死体、それがゾンビちゃん。
箱から出てきたチョコの表面には赤い色で『死ぬほど大好きです』という文字が書かれていた。
ハート型の箱に入れられたチョコの表面を彩る赤い色のそのメッセージ、ゾンビちゃんはそれを周囲のみんなに見られることが恥ずかしい様だった。
俺はその赤い色が何なのか想像せずにはいられなかった。
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