第37話
俺はギャルたちとともに屋敷の手下を全員大人しくさせたあと、ギャルたちさらったのは誤解だというのを納得させた。
濡れ衣は晴れたのと、馬車は配達完了ということで、俺はさっさとジャンプして屋敷から飛び去る。
ランは「これからウチの誕生パーティがあるから、スカイもいっしょにお祝いしてよ! パパたちにも紹介したいし!」と言って引き留めてきたが、これ以上関わりあうとロクなことが無さそうだったので断った。
やれやれ、とんだ1日だったな、と思ってその日を終えたのだが……。
次の日、ボロアパートの自室で目を覚ますと、そこには10人の女たちがいた。
ラブライン、アイリス、レディバグ、ナニーナのいつものメンバーに加え、ランをはじめとする6人のギャルたち。
ナニーナがニコニコ笑顔で紹介してくれる。
「今日からのこの『あおぞら荘』に入居して、『おためしハーレム』に参加してくれることになった、ランちゃんたちよ」
「ちぃーっす、よろしく!」
昨日よりさらに派手なラメラメのアイシャドウで、星が飛ぶようなウインクをしてくるラン。
「このアイシャドウどーお? ママから誕プレでもらったんだよ!」
「っていうか、なんでお前たちがここにいるんだよ!?」
「えーっ、だってスカイはウチらの『ヤリサー』に入ったんじゃん!」
すると既存メンバーたちは、両手で口を押え、息を呑むほどに驚いていた。
「えええっ!? や、ヤリサー!?」
やっぱり、これが普通の反応だよな、と思う。
この中ではいちばんウブそうなラブラインですら意味を知っているのか、真っ赤っかになっている。
「そー! ヤリサー! このアパートをヤリサーのヤリ部屋にすれば、朝から晩まで、毎日ヤリまくれるし!」
アイリスは、「朝から晩まで!? そんなにヤッて、身体が持つの!?」と興味津々。
「もちのロン! だってウチら、ヤリまくるために鍛えてるんだし!」
レディバグは、「しかしそれは、あまりにもふしだらであろう!」と怒っている。
「そーかなぁ? 部屋の中だとギシギシいっちゃうけど、それがまたコーフンするっしょ!?」
ナニーナは、「でも、できちゃったらどうするつもりなの!?」と心配そう。
「へーきだって! そんときはヤリ捨てってことで、キレイさっぱり忘れるから!」
俺は『ヤリサー』の実体を知っているからもう驚かないが、『ヤリサー』のことを誤解している女性陣たちは信じられない様子でギャルたちを見ている。
そして我らがラブラインは、この未知の生命体たちに、どんな反応を示したかというと……。
……ガッ!
とランの両手を握りしめ、
「じ、実を申しますと、わたくしもヤリまくりたいと思っていたのです!」
なっ……なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーー!?!?
俺の驚愕をよそに、女性陣たちは次々とその手を重ねていく。
「ボクもヤリまくりたいと思ってたんだ! だって最近物騒だし!」
「俺は剣術ひとすじでヤリまくったことはないが、多少の心得はあるから力になれるだろう!
だが室内でヤリまくると床が抜けるから、やっぱり外でヤリまくることにしよう!」
「ヤリまくってお互いをケガさせたときは、ちゃんとヤリを捨てて仲直りするルールがあるなんて、素敵ね!
そういうことなら、私もぜひヤリまくりたいわぁ!」
「それじゃあこの『あおぞら荘』のみなさんで、今日からさっそくヤリまくりましょうか!
あれ? スカイ様? どうされたんですか、倒れられたりして……」
俺はタタミにズッコケながら、自分はひどく汚れた心持ち主なのだなぁと猛省していた。
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