第4話 ちょうろう、ふっかつする

「ふぉっふぉ。ただいま戻ったぞ」

「まさか本当に帰ってくるなんて……!」


 てんにめされてからはんにちもたたないうちに、ちょうろうはふたたびむらへとかえってきました。シスコはおどろきました。いちどしんだどうぶつはいきかえらないとどこかでまなんだそれはうそだったのかとおもいました。


「ロス、今度は殺さないように」

「わかってるわよ!」


 ちょうろうをむらにかえしにきたやまざきにいわれ、ロスはすこしむっとしながらもへんじをしました。


「仲良くやってね。君たちは世界を変える存在なんだから」


 そういってやまざきはそらからいなくなりました。なんかいみしんだなおいと、ディエゴはそれをきいておもいました。


 それはともかく。


「ちょっとあんた! さっきのアレはなんだったのよ!」


 ロスがはげしくおこりながらちょうろうにつめよりました。ですがちょうろうはいつものようにふぉっふぉとわらうだけでした。


「なにがおかしいのよ!」

「あれは嘘じゃわい。第一わしがお前さんに発情するわけがなかろう。この小鳥め」


 ロスはもういっかいころしてやろうかとおもいましたが、ころさないようにといわれたばかりなのでひっしにこらえました。


「あの、どうしてちょうろう様は戻ってこられたのですか?」


 インコによくじょうするすけべネズミじゃなくてよかったとあんしんしつつ、シスコはちょうろうにたずねました。さっきまちがいなくちょうろうは、しんでいました。ですがいまはピンピンしています。いったいなぜなのか、シスコはしりたくなりました。


「わしにもわからん」


 ですがあっさりとそうかえされてしまい、シスコはがっくりしました。そんなシスコをみて、ちょうろうはふたたびくちをひらきました。


「わしは一度死んだ。そしてカミサマの手によって再び生を与えられた。このことは今までの生物学、というより最早世界の常識を塗り替える大革新じゃ。それだけははっきりと言えよう」


 ちょうろうはシスコのながいくびをポンポンとたたきました。


「ありがとうございます」


 シスコはすこしだけ、げんきをとりもどしました。


 せかいはまだまだしらないことばかり、だからどんどんいろんなことをしっていきたい。シスコはうまれてからずっとそれをかんがえていましたが、あらためてそうおもいました。


「よーし! じゃ、何して遊ぶ?」

「本当の、胸キュン台詞言い合いをしましょう!」


 ディエゴのよびかけに、シスコがかえしました。さっきみたいなけんかにはならないように、ちゃんとおしえながらやろうとおもいました。


「死ねこのクソネズミ!」

「そうじゃないですってばー!」


 それからもいろいろありましたが、よんひきはこんなかんじでずっとなかよくくらしていました。


 ですがてんごくでは、よんひきがなかよくくらしているあいだにとんでもないじたいがおこってしまいました。


 カミサマのひとりのやまざきが、こうつうじこでしんでしまったのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る