第5話 初めての依頼と魔族
試験が終わり、Fランクの冒険者証(ライセンス)を貰ったら、
この冒険者ギルドの案内板を見る。
──────────────────
1F
1番受付 冒険者、パーティ、従魔登録
2番受付 落とし物、通報等
3番受付 クエスト受付
2F
食堂
3F
解体所
4F
医務室
5F
ギルド長室
──────────────────
と書いてあるようだ。
早速初めての依頼を受けるとするか。
俺は下にあった薬草採取依頼を剥ぎ取って、3番受付に行く。
ファム
「これ………お願いします。」
受付
「はい。気を付けて採取してくるんだよ。」
ファム
「………《─こくん》」
門を一旦出たら、近くの森の茂みに入って行って、
森の中にぽつんと開けた場所を探す。
ファム
「……あった。」
レム
「みゃ。」
そして、地面に埋めると、
縦5m横2m内に最上級品質の薬草が生えるし刈っても直ぐに生える”薬草石”を造り、
それを開けた場所に埋める。
すると途端にニョキニョキと薬草が生えて、あっという間に薬草畑が完成。
鉈を鎌に変えてザクザクと収穫して【収納】でしまう。
冒険者ギルドに帰って薬草を提出したら驚かれた。
受付
「ちょ、ちょっと待って!?ななな何この最上級品質の薬草は!?」
レム
「み”ぃ……(-""-;)」
ファム
「……………………」
受付
「いや、黙ってないで何か言ってよ!?」
ファム
「とりあえず………判子下さい」
受付
「あ、ああ。」
─トンッ
受付
「ほら、報酬の銀貨1枚。」
ファム
「ありがとう」
この世界のお金の単位?とかは
半鉄貨 5円
鉄貨 10円
半銅貨 50円
銅貨 100円
半銀貨 500円
銀貨 1000円
半金貨 5000円
金貨 10000円
大金貨 100000円 (10万円)
白金貨 1000000円 (100万円)
となっている。
1000円なら十分だよな?
さて、次はどんなクエストを受けようか。
あ、その前に、商人登録をして定期的に稼げるようにしようか…
レム
「みっ!みぃ~!」
レムが気晴らしに出掛けたくなったと言い出した。
ように聞こえる。
一旦ギルドを出た俺はレムを抱き抱えて、門を出てみた。
少し街道を歩いて行くと、途中で紫と黒を基調にした馬車が停車していた。
扉には黒いドラゴンの紋章。
あれは……魔族の王族か…?
すると、馬車から魔王としか思えない人物が出てきて……
目があった。
……取り敢えず会釈すると、相手が寄って来た。
何故に?
魔王
「こんにちは。そなたは孤児かな?」
ファム
「………………………(-_-;)…《─こくん》」
魔王
「そうか。なら丁度いい。」
─ガシッ
いきなり魔王様は俺の肩を掴み……
魔王
「我の養子になってくれ。」
ファム
「──え?っわ!!」
そう言うなり、魔王は俺を馬車に連れ込み馬車をUターンさせて馬車を走らせ始めた。
もしかして……
拉致られたのか…?……俺……
極論。魔族は子供への愛情が強すぎる。
魔族は親の居ない孤児等の身寄りのない子供を見ると直ぐ様連れ帰る習性がある。
魔族といれば将来は安泰とも言われるし、別に悪い事ではない。
実質、魔族の1世帯には絶対に養子がいる程に。
中には10人以上程育てる猛者も居るぐらいだ。
だから別に構わない………筈。
俺を膝に乗せて満足顔の魔王。
レムはしきりに魔王の匂いを嗅いでいるが……どうしたレム。
俺を保護?した瞬間に馬車をUターンさせたと言う事は、
ここへは元々子供を養子にする為に来たのだろう。
そんな事を思っていると、魔王が
魔王
「ヴァンパイアキャットが人に懐くところは初めて見たな。しかも変異種とは……そのヴァンパイアキャット、名は何と言うのだ?」
ファム
「…………レム」
やはりヴァンパイアキャットは人に懐かないものなんだろうか。
魔王
「そなたの名は?」
ファム
「……………ファム」
魔王
「はっは。名前が似ているな。レムよ、そなたの主人は無口だなぁ。」
レム
「みぁ~。」
そして、それからたったの1時間程しか揺られて居ないにも関わらず、魔王城に到着した。
橋の前には門番兵が二人いた。
馬車は勿論そのまま通過し、門前で停まって降りた。
門番兵は二人。
門番A
「おかえりなさい陛下!あ、その子が養子ですか?」
ファム
「………ファムです。」
門番B
「ファム君よろしくね。」
随分とここの人は上司に対してもフレンドリーなんだな。
いや、誰に対してもか。
そして、中に入ると、魔族達と勇者パーティらしき人物達が大広間で交戦中だった。
勇者らしき人物は聖剣を振り回している。
勇者
「ぎゃははははは!!死ね死ね!糞魔族!!」
魔族が優位そうだが、一旦落ち着いてもらいたいな。
そう考えると、レムが勇者に駆け寄り………
勇者?
「ん?なんだこのチビ猫は───ぶはぁッッ!?」
全員
「「「「「え?」」」」」
何と、レムが1発勇者に腹パンを食らわし勇者をぶっ飛ばした。
更に………
聖女?
「ぎゃあッ!!」
騎士?
「おぐぉ!!」
盗賊?
「ぶべら!!」
レムはどんどん勇者パーティに腹パンを1発キメてぶっ飛ばしていく。
勝者、レム。
レムは、「フンッ」と、相手にもならなかったと言うように鼻をならして帰って来た。
魔族は全員呆然とこちらを見ていた。
魔族A(青年)
「っあ!おかえり魔王様!」
魔族B(メイド)
「その子が保護した子供ですか?」
魔族C(執事)
「その子猫はヴァンパイアキャットの変異種ではございませんか。そちらのお坊っちゃまがご使役で?」
魔族D(セクシー美女)
「全く、世界と魔族の和平を知らないのかしら?こんな戦争じみた事されたら毎回毎回メンドクサイわ~……」
魔王
「はぁ……全くだな。取り敢えず、元来た国に送り返してきなさい。」
世界はこの国の魔族とは和平を結んだのだろうな。
この世には、悪い魔王と良い魔王がいて、世界と和平を結んだ魔族の種族達の国ご何ヵ所か存在する。
悪い魔王は直ぐに退治されるんだよな。
リビアン(セクシー美女)
「よろしくね坊や。私は”リビアン”よ!夢魔種なの❤️」
メロイド(執事)
「初めまして。私は”メロイド”でございます。吸血鬼種です。」
レクス(青年)
「俺は”レクス”!よろしくな!狼男種なんだぜ!」
ミーミア(メイド)
「私は”ミーミア”です。マーメイド種なの。よろしくね。」
ファム
「……………俺はファム。宜しく。……この猫はレム。」
レム
「みゃ~!」
魔族と言うのは獣人と同じくいくつかの種類があって、夢魔種や魔物に似た特徴等もろもろの魔物種等、
様々な種類が多種多様に混在する。
リビアンさんは、濃いピンクのウェーブした髪をショートカットにしており、紫の瞳、紫紺の捻れた角に先っぽが逆さまハートの赤いエナメル質らしきしっぽ。
メロイドさんは、銀髪のオールバックに赤い角、瞳も赤いまさにヴァンパイアの特徴で、やはり魔族なだけに若い。肌は色白で、楕円形の銀縁眼鏡をかけてる。
レクスさんは刈り上げた青い短髪に黄金の瞳。黄金の瞳は狼男種の証で、縦の瞳孔に、尻尾と狼の耳に黒い角。健康的に焼けた小麦色の肌。
ミーミアさんは、明るい水色のウェーブした長髪に、群青の瞳。耳の後ろにヒ水色のレがあり、群青のメイド服の短いスカートからはキラキラ輝く白い鱗の魚の下半身があった。
どうやら浮遊魔法的なので浮いているようだ。
ファム
「…………………ヴァンパイアキャットの戦闘力については………知らなかったが。」
魔王
「ヴァンパイアキャットは大人しいが人見知りでな。人に懐かんのだよ。戦闘力に関しては、極論、とんでもなく強すぎる。
普通の成人猫でも、小型のドラゴンを相手取れる程には強い。その変異種ともなれば、大型の亜種のドラゴンでも相手取れるかもな。ははは。」
レム
「うみゃっ!」
余裕余裕!
とばかりのジェスチャーをするレム。
俺の家族はチートだな。
魔王
「さて、ファム。その服では風邪を引いてしまうだろう。着替えるぞ。」
ファム
「…………いいの…ですか?」
魔王
「敬語はいらぬ。我とファムは親子になるのだ。後で兄妹達と我の妻を紹介するからな。」
ファム
《─こくん》
ファム
「……着たよ。」
魔王
「おお!似合っているぞファム!」
レクス
「本当だ!」
そう言って頭を撫でてくれた。
ファムは尻尾を立ててスリスリしてきた……ふふっ❤️
俺が貰ったのは、中学校の男子の学ランの襟が縦に長くなり、袖が萌え袖になるぐらい長くなったような服だった。
魔王
「ではファム、これからファムの兄妹になる家族を────」
???
「”アグネス”!?新しい子ほどこなのっ!?(*≧ω≦)」
アグネス(魔王)
「エ、”エリィル”……( ;´・ω・`)少し落ち着きなさい。あぁ、ファム、エリィルは我の妻でな──」
エリィル
「まぁ!貴方がファムちゃんね!?可愛い!!」
ファム
「は、はあ………」
レクス
「王妃様、落ち着いて落ち着いて……」
エリィル
「そ、そうね……ファムちゃん、私はエリィルよ。このアグネス…魔王の妻なの。よろしくね!」
ファム
「……………俺は…ファム。よろしく……この子は…レム。俺の家族。」
レム
「みゃみぃ~!」
エリィル
「そうなのね!じゃあ、レムちゃんは私達の家族でもあるわね!」
レム
「みゃっ!!」
よろしく!!と言うように、レムはジャンプした。
アグネス
「実は、養子をとるのは今回ファムが初めてなのだ。兄妹は皆我とエリィルの子供なのだよ。」
ファム
「…何人?………(*・ω・)」
アグネス
「女子4人男子3人だな。ファムをくわえれば4人だな。」
ファム
「……ほう。」
取り敢えず、兄妹と合うのが楽しみだ。
なぁ、レム。
レム
「み!」
孤児院育ちな少年は吸血にゃんことスローライフ 舘川 ハナミ @373737
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