第2話 創造神と吸血猫
目を擦ってもう一度見てみる。
………変わらないな。
てか神託って何だ?
変形や解体その他は大体解るとして…
神と会話が出来たりするとかか…?
じゃあ……試しに
ファム
「……………【神託】」
……何も起こらな───
???
『あぁああああああああああああ!!!やっと神託使ってくれたぁああああ!!!』
………うるさい(-""-💢)
神託を使って何も起こらないかと思いきやいきなりなんだ
頭に直接声が響いてるんだが?
???
『あ~!ごめんなさい!』
お前は誰だ?
イヴォン
『はじめましてこんにちは。君を転生させたこの世界の創造神の”イヴォン”だよ。以後宜しく~♪』
ああ、こんにちは。
俺はファムだ。
イヴォン
『うん。知ってるよ~。……さて、もう……本ッ当に待ちくたびれたんだからぁああ!!』
この神託こっちから切れないのか?
イヴォン
『あぁ!すみません!!お願いだから切らないで!』
解った
イヴォン
『ふぅ~……じゃあ、改めて自己紹介。僕はイヴォン。このリボルファームの創造者さ。そして君を転生させ、君を導く導き手であり友人でもある。』
俺の種族が─??─だったんだが?
イヴォン
『ああ……それについては僕も解らない…』
はあ?
イヴォン
『だって!気付いたら種族不明になっちゃってたんだもん。前代未聞だから、僕ですら解んないんだよね…』
全く………
イヴォン
『あ~…ははは。でもさ、ほら、自分の種族が解った時、ワクワクすると思うよ?』
そうか…?
イヴォン
『そうだよ~。』
……………まあ、いいか。
イヴォン
『うん。あのさ、これからはいつでもお喋りしてほしいな。僕寂しがりだし。所でこれからどうするの?その歳で独り暮らしはキツイかな?』
いや、そうでもない。
イヴォン
『そっか~。流石クール美男子君。にしても、石集めが趣味だなんて渋いねぇ。』
………別に。
イヴォン
『君頭ん中じゃめっちゃ喋ってるのに人と会話すると無口だね?まあいいんだけど。』
まあいい……精霊王の愛し子ってどういう事だ。
イヴォン
『名称の通りさ。君はその魂、つまりひいては心の綺麗さから、精霊王達が君を守護しているのさ。君が危険な目にあったら、精霊王や精霊達が助けてくれるよ!』
そうなのか。
イヴォン
『精霊王は君と仲良しになりたがってるから、たまには呼び出してあげてね♪』
用もないのに呼び出すのは不敬じゃないのか…?
イヴォン
『安心して、用件がないくらいで呼び出しても不敬にはならないよ。むしろ、寂しいから来てほしいとか、一緒にご飯食べよ~!だとか、そんなお茶目な理由で呼び出したって精霊王は怒らないよ。
精霊王達、意外といつも暇なんだよね。自然や人間を僕と一緒に見守りはするんだけど、長生きしてるからか結果的いつも暇なんだよね~……
精霊王達も、早く君に呼んでほしいってやきもきしてたけど。君がこの世に生まれてから孤児院を出た今も見守って来た。
でも、君が呼んでくれないって。呼び出し関係なく一緒に居れるんだよね。でも一度呼び出してくれないと勝手には一緒に居ずらいって言ってたよ精霊王達。
だから、是非とも精霊王達を呼び出してあげてほしい。僕、伝えなかったら精霊王達に説教されるからさぁ~……』
精霊王に説教される最高神とはこれ如何に。
もうそろそろいいか?
イヴォン
『あはは。うん。また気軽にどうぞ~♪──あ、たまには教会に来てね!僕意外の神様とお喋り出来るからさ!』
暇があればな。
ファム
「──(-""-;)」
何か濃い創造神だったな……疲れた……
まあ、いいか。
ファム
「……(*・ω・)」
取り敢えず…
金の件はやはり仕事を持とう…
俺みたいな孤児の子供が何もせず金を持ってるのはおかしいし、
スキルを使ってタダ金はズルをしている気分になる…(ー_ー;)
あの説明にあった貯金箱型の……って言うのをするなら、
余程の万が一の時に使うべきだな。
取り敢えず最寄りの町か村で宿探しだな………
と、言いたいが…
ファム
「……………(。゜゜)ゝ」
もう夜だな。
幸い、野営の道具とちょっとした武器を孤児院から出る時マザーから貰ったからな。
ファム
「………………(;ーνーΛ)」
完成したな。
組み立て安かった。
さて、夜の街道(整備されてない)のすぐ脇にテントを張った所で、
晩飯の調達に行くか。
俺は腰に携えていた短刀を抜き、近くの森に入った。
夜の森は危ないが、今日は幸い月が出ているし。
─ガサッ!
ファム
「……!」
バッと音のした方向を振り向く。
するとそこには……
「みぁ………」
ファム
「……………( ´-ω-)」
猫か………
弱々しくふらついた白銀の体毛のスラッとした短毛種の子猫がいた。
腹が減って居るのか、ガリガリに痩せ細っている為肋が浮き出ている。
「みぁ………みあ~…」
ファム
「……?」
……いや、どうやら”ただの”猫ではなかったらしい。
ファム
「………ヴァンパイアキャット」
その名の通り、吸血猫だ。
月に雲が掛かっていて容姿まではあまり見えなかったが、
よく見ると白銀の短毛に、口からは小さな牙が覗き、
背中には月明かりに照らされると光の反射で青光りする漆黒のコウモリの翼。
ぱっちりクリクリの瞳の色は鮮やかで血のような真っ赤な色をしている。
普通はその容姿だけなのだが…
だが、この子猫は尻尾が二又に分かれ、耳先と足先、
尻尾の先が段々綺麗な薄紫に変化していっている。
普通の容姿と少し違った容姿になるのは、普通とは強さが10倍も上と言われる”変異種”の証だ。
ヴァンパイアキャットの変異種はごく稀に見られ、
尻尾の先の色に応じてそのヴァンパイアキャットの属性が決まるようだ。
魔法属性を持つのは変異種のみらしい。
だが、この猫はまだ幼いので、そこまで危険はない。
と言うよりも、元よりヴァンパイアキャットは温厚で、
主食は勿論血液だが余程の事がなければ人間を襲う事はなく、
普段は森の奥で狩りをしている。
そもそもヴァンパイアキャットはあまり多く血を吸わない。
人間の子供ですら吸われても致死量に満たない為あまり危険視されていない。
特に、魔力の素である魔素が多く含まれる血液ならば余計に必要ない。
魔素の多くない血液を持つ生き物はそもそも襲わない。
危険があまりない為、安全な魔物”魔獣”とされている。
魔獣は魔物と違い危険性な極めて低いのだ。
ファム
「…… ( ・ω・)__ 」
試しに自分の人差し指を差し出して見る。
すると
「みぁ~…」
─クンクン
─ペロペロ
─カプッ
ファム
「……………(・ω・ )フム!」
痛くないな。
ヴァンパイアキャットの唾液には痛みを強く抑制する麻酔効果(依存性なし)と病原菌予防の消毒効果があるらしい。
どうやら本当だったようだ。
ほんの2秒程度で満腹になったらしく、毛並みも艶々になり気付くとガリガリだったのが普通ぐらいまでの体型に戻っていた。
「みぁ~!」
─スリスリ
ファム
「…………(〃´ω`〃)♪」
意外に人懐っこいようだ。
とても愛らしく、俺の指にすり寄って来た。
……っと、和んでいる場合ではなかったな。
晩飯の調達をしなければ……
ファム
「………………バイバイ(。 。` )ノ」
「みゅ~ん?」
子猫は首を傾げて上目遣いで見てくる。
どこまでも可愛い奴だ。
……………が
─スタスタ
─タスタス
ファム
「…………」
─スタスタ
─タスタス
ファム
「…………………」
─スタスタスタ
─タスタスタス
ファム
「……………なあ」
「みゅ?」
子猫は俺を親か何かと勘違いしたのか付いてくる。
………今子猫を養う事は…出来るのか?
…主食が血液だからな……
まあ、いいか。
ファム
「………………………お前は”レム”だ。」
レム
「みぁ~~!!」
レムは名前を気に入ったのかぴょんぴょん跳ねている。
何となくだが嬉しいみたいだ。
さて、狩りの続きをやるとするか。
ファム
「………待て」
レム
「みぁお。」
どうしたの? と首を傾げるレム。
………可愛い。
レムを引き留めたのは、少し狩りをする前に武器に加工を施したかったからだ。
この短刀は刃と持ち手、全て全体が鉄で、結構重めだ。
鉄は元は鉄こう石、鉱石だ。
つまり、おれの石創造スキルを使って、この鉄の短刀に手を加えられる。
効果を付与してみようか。
俺はその場に胡座をかき、短刀を両手で持った。
ファム
「………( ´-ω-)」
錆びまくりだな……
正直言って、孤児院から渡された物はボロボロだ。
早急、テントが立て安かったのは、テントがボロボロで組み立て方が余りにも簡素だったからだ。
あれではきっと雨を防ぐ事しか出来ないであろう。
この短刀も錆び過ぎていて魔物を切る事等出来ない。
だから、石創造で効果を付与し、鉄から性質を変化させるのだ。
ああ、因みに俺の今の格好は黒いシャツ(麻袋布で裾が所々裂けてる)に黒い半ズボン(麻袋布)、
つぎはぎのある茶色いローファー的な靴と言う簡素な服装だ。
100人中100人が貧乏人だと言うだろう。
ファム
「………」
レム
「みゃぅ。」
大人しくしている俺にレムがすり寄って来た。
足を組んでいる場所で丸くなり喉をゴロゴロ鳴らしている。
じゃあ……始めるか……
鉄を……… 銀 へ……
短刀に
何でもスパッと切れる
切った生き物は大量出血する
人間や異種族等は悪人以外切れない(悪人判断は範囲探索で映る悪意のある人間のみ)
紙のように軽い
錆びない
好きに武器の形を変形出来る
属性魔力を込めると魔法を纏う
装備すると体が回復する
装備すると足が早くなる
効果を付与………と。
これでいいかな…
ファム
「………よし…」
レム
「みぃ~?」
レムは寝こけていたらしく眠そうに俺を見上げた
ファム
「……………再開だ。」
レム
「みぃ!」
欠伸をしながらも元気に立ち上がるレム。
可愛いなぁ……
─ガサガサッ
ファム
「………!」
レム
「み″ゃう″ぅう″う″う!!」
レムが臨戦態勢をとったと言う事は今度こそ魔物か…!
俺は短刀に風の魔法を纏わせた。
短刀を振ると風の斬撃が飛んで行くようになっている。
出てきたのは……
「ブヒィー!!」
ファム
「…………ワイルドボア……!」
─ペロリ
ボアは猪の魔物で、Dランクの冒険者でも狩れる。
だがワイルドボアはそのボアより二回りは強いCランクの魔物だ。
…………大抵の魔物は教会の魔物図鑑を見て勉強しまくったから殆ど知っている。
こいつは美味い魔物だからな………
思わず舌舐めずりする。
冒険者と魔物は同様のランク付けがあり、
F→E→D→C→B→A→S→Ss→Z となる。
魔物には災害レベルと言うのもあり、0→Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅶ→Ⅷ→Ⅸ→Ⅹ→∮。
1~11までの災害レベルがある。
冒険者・魔物ランクの凄さを表に纏めるとこんな感じだ。
──────────────────
F
7才未満なら倒せる魔物。見習いになる前の研修生的冒険者。
E
10才未満なら倒せる魔物。見習い冒険者。
D
見習いには少しキツイ魔物。見習いより少し強い冒険者。
C
身体が丈夫で結構鍛練すれば倒せる魔物。中級冒険者。
B
Cランク冒険者5~6人ぐらいで倒せる魔物。上級の強い冒険者。
A
Bランク冒険者3~4人パーティが2組ぐらいで倒せる魔物。かなり強いベテラン冒険者。
S
1万人のBランク冒険者の軍隊を軽々相手どれる魔物。人並み外れた身体能力の冒険者。
Ss
5000人のAランク冒険者の軍隊を軽々相手どれる魔物。人間殆どやめてるような人外的強さの冒険者。
Z
300人のSランク冒険者の軍隊を軽々相手どれる伝説や幻級が多い魔物。武神にも近い強さで人間を確実にやめてる冒険者。
──────────────────
少し解りずらかったら申し訳ない。
災害レベルを表にした場合
(因みに災害レベルとはその魔物が襲って来たり暴れた場合の被害度)
──────────────────
0 ゼロウ
被害が出ない。安全
Ⅰ ワンク
知能が殆どないが襲ってくる。怪我人が少し出る程度。
Ⅱ ツーク
余程油断しなければ死なない。
Ⅲ サーズ
油断すれば死んでしまう。
Ⅳ フォーズ
だいぶ鍛練して立ち向かわなければ行けない。
Ⅴ ファイグ
鍛練していても少しでも気を抜けば死者が出る。
Ⅵ シグス
集団で来られれば村一つ壊滅する。
Ⅶ セブンズ
集団で来られれば一度に小さな村3つは壊滅する。
Ⅷ エイク
集団で来られれば一度に大きめの街3つが壊滅する。
Ⅸ ナインス
単体で国一つが1時間で滅ぶ
Ⅹ テンズ
単体でも小一時間でかなりの大きさの大陸が滅ぶ。
∮ フィガロー
3時間程度で惑星そのものが滅ぶ。
──────────────────
ちゃんと説明になっていたか不安だが、大体はこんな感じだ。
こういう事も確認済みだし、孤児院では冒険者を目指していたからな。
……………さて………狩りをしようか。
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