第3話 変な子と呼ばれた理由

自分は小学生の時変な子と呼ばれていました。




それには理由があって、小学校3年生の時です。




道徳の時間で、命の問題を扱った読み物をしていたときに、ふと自分の頭の中である疑問が生まれたんです。




「なんで人を殺してはいけないのか?」




好奇心が人とは違うところに向かっていた子供でしたから、意図しないで不意に自分の口から溢れた言葉でした。




その時のクラスの雰囲気は忘れられません。




そこまで大きな声ではなかったのですが、なんせみんな真剣に本を呼んでいたので自分の声だけが響いてしまいました。




その言葉に反応した担任が




「なんでそんな変なことを聞くの?」




と自分に言ってきました。




自分は正直に自分が疑問に思ったことを口にします。




それに対する担任の返答は、




「そんなこと当たり前じゃない。」




その一言だけでした。




授業終わりに、クラスメイトは担任の変な質問というところに反応して自分のことを変な子というようになりました。




自分は変な子と呼ばれたことよりも担任の当たり前という答えに納得がいっていなくてそれで頭の中がいっぱいでした。




ただ、クラスの雰囲気が変わったことだけは覚えていた自分は人前ではこういった質問をすることはなくなりました。




これが変な子と呼ばれて、自分を自分の中で閉じ込めてしまったきっかけでした。




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