第14話 変化 美利野々花

ブルーベア――青泉さんたちと話した翌日。

あの石をもらった瞬間からわたしの体調は確実に劇的に回復していた。

一瀬、といった男の人がいうように確かにこちらを監視するような視線はまだ残っていた。

しかし、前日までの強い念の籠ったものではない。

今までの外出を躊躇うほど重くのしかかっていた影が重い荷物を下ろしたかのようにふと軽くなったのだ。


石の効果が大きいのだろうか。


あの日からずっと肌身離さず右手に光るブレスレットの目を向ける。

半透明のそれはあの日から変わった様子はない。

何度見ても普通のアクセサリーにしか見えなかったが、これほど効果があるとは到底信じられなかった。


頼ってみるものだな、と今となっては思う。


今日からまた、部活にも復帰することに決めた。

バスケット部。

しばらく動いていなかったから最初はつらいだろうがまた仲間と一緒に打ち込めることがありがたかった。

この分なら残りの視線もそのうち消えてなくなるだろう、と考えていた。


ブルーベアさんには「体調がよくなりました、今日から部活に復帰できそうです」と送った。


”それは良かったです。また何かあったら言ってくださいね”


返信があったのを確認して、私は久しぶりに体育館の扉を開けた。


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