てんてん転移

第27話 とりあえず

神様には逆らえない。

というわけで　喧々諤々（けんけんがくがく）の末に・・

辻褄（つじつま）合わせ・帳尻あわせは神様たちにまかせて、

私の魂は　別の器に入ることになった。

神様たちがこの世界を見学して回るガイド役を務める為に

「なにをするにも　この世界のことをもっとよく知らないと　なにもできん。

　すべてが　混迷（こんめい）の度を深め　雪だるま式に厄介ごとが膨らんでいくだけだ」

というアスランの言い訳が　的をついたこどばでもあったから　私としても従わざるを得なかったのだ。

しっかりとガイド役をつとめ

神様たちには　しっかりとこの世の仕組みを理解してもらって

何とかことをおさめてもらわないと困る。

私一人なら　成り行き任せの大冒険♫　ケセラセラ　esterase　♫　ですましちゃうかもですが・・

さすがに子供達5人の人生を考えれば　保護者として　軽々しく同意したり動くわけにはいかない！

　と言いつつ　流されっぱなしですよね。今の状況。

そもそも　人の世界に介入しようとしたフェンが全ての元凶なのだけど

彼のまじめさと必死さを見れば　非難も批判もできない。

非難してなんとかなるなら　突っ込むけど、

どうにもならない

どころか責任感にかられた彼がさらにバカなことをしでかしそうで　コワイわ。

というわけで　これからの状況を楽しむことにした。

　開き直り　アジの開きかさんまの開きか　最近のはやりはホッケですな。

「この際だから　新しい器（うつわ）に関する希望は　何でも言っちゃって。

　可能な範囲で　ご希望に沿うようにいたします」

アスランがやけくそ気味に言った。

彼ってもっと　重厚なタイプだと思ったのに、キャラ崩壊してるの？

「いや　もともと私は　多様な存在であり　見る者によってそのイメージが変わるのだ」とまじめな顔で言うアスラン。

あーあ　意識を共有されていると・・ってだったら　私の希望をわざわざ口にしなくてもわかるのでは？

「意識というのは　多様なのだ。　本人が伝えたいと思わなければ形として読み取れない」フェン

「つまり　頭の中でのつぶやきは　共有されて、半ば無意識に埋もれている部分はわからないと？」

「そういう言い方もできる」アスラン

はぁ～～～～

だったら　思いっきりわがまま言ってやる。

「絶世の美女にして下さい」

「どういうタイプの？」フェン

「あんた嫌い。」（まじめに突っ込むから）

思わずマンガの中の美青年を思い浮かべた。

個人的趣味で　青池さんの描く金髪まき毛の怪盗さん。

それに池田利代子さんの描いたオスカル様♡

あとそうだねぇ・・

スタナ・カティック（キャッスル）：タフでキュートで知的な美人

アマンダ・タッピング（スターゲート）：タフでクールで暖かみのある美人

「ようは　知性と教養溢れる　キュートなクールビューティが好みなのだな」

どこか納得したと言う口調でつぶやくアスランだった。

「でも　髪は長めでお願いします」

「ふむ　あなたのパソコンを借りてもいいかな？」フェン

「使えるの？」

「映像を見たいのだ」アスラン

「了解」

神様がなんでインターネットのことを知っているのかは知らないけど

とりあえずネットで検索して画像を出した。

神様たちは　すごい勢いで　ドラマを見ておられる

どういう裏技を使っているのだろうか？

「ふむふむ　肉体的にも頑強な方がいいのか？

　こう　男を殴り倒したり　背負い投げをしたり　銃を片手でぶっ放したり

　ハイヒールで走り回れるほどの」

「そりゃ　見た目を損（そこ）なわずにそれだけの身体能力その他があれば言うことなしよ。」

「よかろう。」

ボディイメージが私の頭の中におくられてきた。

　キャーステキ♡

「次に服装だが」アスラン

「えっ　服まで用意してくれるの？」

「裸で外を歩くわけにはいかんだろうが」アスラン

「うーん　私　ファッションにこだわりはあるけど　ブランド名知らない

　店頭で見て試着して決める方だから・・」

「だったら　一緒に見に行こう」フェン

神様と一緒にウィンドウショッピングをした。

といってもバーチャル空間での話だけど。

凄いよ神様

　今年のデザインだけでなく　5年前　10年前のモードまで　展開してくれる

　すごっ！

というわけで　お洋服を買ってもらっちゃった。

　厳密には　「これ試着したい♡」とかって指さした奴を　実体化して私の肉体にあわせてくれたのだ。

すご～い　贅沢な気分♡

ついでに　「友禅の振り袖が着たい。その時は　黒目黒髪の和風美少女の肉体が欲しい」とおねだりしたら、瞬時にボディの見た目を変えてくれた。すごっ。

というわけで　和服を楽しむだけの日本人体型のこけしさん髪のスタイルと

金色短髪のスタナさん風の体型と　肉体を2バージョンも用意してもらっちゃった♡

もうこれは　現実を反映したバーチャル世界だと割り切ることにした。

そうでもしないと　あまりの贅沢さに気を失っちゃうわ。