第22話 真打ち登場!?

ベスとフェンのお気に入りの場所に転移した。


噴水のそばのあずまや。


ここでは フェンも銀色の髪に緑の目をした若者の姿だ。


私はココアとショートケーキ

ベスはレモンティとチョコレートケーキ

フェンはコーヒーとクッキ―をつまんでいる


「まったく あの女達は 元の暮らしはいや。でも元の暮らしから離れるのもいや

どうしようもない人たちだ。」(フェン)


「いったい 私に なにをさせるつもりだったの?」


「城の男達のように あなたにひきあわせれば彼女たちも変わると思ったのだ」


「男中心に隷属した考え方がしみ込んだ人達は 御主人様にどれほど不満をもとうと

 その不満は すべて下位の者をみくだすことによって紛らわせて

 けっして自分の生き方をかえようとしないですよ」(私)


「ベスも同じことを言っていた」


「でも あなたは 御自分の考えを実地でためしたかった?」(私)


「そうだ。もったく理解不能だな。あの女性達に関しては」


「もういっそ 睡眠学習をさせて 全員をもとの城に戻してなりゆきにまかせば?」

「というか 人の生き方なんて外から変えられるものではないから 10年前にまきもどして放って置いたら?」


「ほかの生き物の時をいじることはできても、我等自身の時流れを己の都合でかえることはできないのだ」

 重々しい声とともに ライオンが歩み出てきた。

 黄金色の立派なたてがみをしたライオンだ。


「これは アスラン兄上 ようこそお越しくださいました」フェンが立ち上がってお辞儀をする。


「アスラン、ナルニア国のアスラン様ですか?」


「わしの夢の一部を書きとった者がかつていたが、そうかお主はその者と同郷なのか」(アスラン)


「はい」


「わしの影の一部を描いたものをお主が読んだことがあったとしても、それはわしそのものではないからな」(アスラン)


「はい」


「さてと 『呼び出し術』と「送り返しの術』をついで学ぶべしということにやっと気が付いたようであるな」アスランはベスに向かって言った。


「兄上 どうかベスを責めないでください。

 「呼び出しの術」さえ使えればいいと言ったのは私ですから」(フェン)


「それでも、「送り返しの術」を学ぶ前に、呼び出し術を使ったのはベスであるから、責任はベスにある」


「罰はいかようにも受けます。」(ベス)


「兄上 お願いです、どうか この者たちを あちらの世界とこちらの世界を行き来できるようにしていただきたいのです。」(フェン)


「短慮とはお前にぴったりのことばだ。

 このことについては 我らでもっと話し合う必要がある」


「しばらく あなたはゆっくり休まれるがよかろう」

そういってアスランは 私を眠りの世界に送り込みました。


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