第14話 名前と文字と翻訳機能
マッチョサン達に続いて おじいちゃんたちの自己紹介もお願いしました。
おじいちゃんたちは 全員神官でした。
10年前の事件により「覇権を求めて争うことの多かったこれまでの生活を恥じ、今後は祈りに身を捧げて暮らせ」という神意を受けたと感じ、この10年 ひたすら祈り続けてきたのだそうです。
それゆえ 名前も階級も捨てたので 適当に番号で呼んで欲しいとのことでした。
お爺ちゃんたちがここまで話した時に、ホーリー隊長も用を思い出したと退出し
私達の部屋の区画に残ったのは マッチョサンとお爺ちゃんたちだけになりました。
(衛視たちの控えの間も含めて 私達の居住区画と今後呼ぶことにしますね)
番号呼びでは、一人一人の区別をつけにくく覚えにくいので、名札をつけてもらうことにしました。
この作業によりいくつかのことが判明しました。
①私達はめいめい自分の国の言葉で話し、相手の言葉を自動通訳した形で聞き取っている!
しかも 私と子供達が会話している時は、周りにいるローゼンタールの人達には、意味不明の外国語と聞こえている。
だから ローゼンタールの人々は、私達親子は神の恩寵によりローゼンタールの言葉を学んだ状態で転移してきたバイリンガルだと思っていたそうです。
(わぁ このことに私達だけが気付いていれば もっと優位を保てたのに。残念)
お爺ちゃんたちは、
「神殿にはもともと子供がいなかったので、この2日間で新しい世界が広がったようでとてもうれしく思っている。
そして急に未来が生まれたようで「楽しい」とはこういう感情だったのかと知り感動している
だから 何があっても自分達は奥様とお子達に味方する。
だからマッチョサンと自分達がいる所で
ただし 魔導士や他の神官による魔法尋問で問いただされた時はごまかせないかもしれない
私達の居住区画にはもともと盗聴器がついていたが、今朝がたの騒ぎで
子どもたちの叫ぶ声で盗聴器が壊れ 今は盗聴されてないない」と口々に話してくれた。
(はぁ やっぱり盗聴されてたんだ。監視つきだとは思っていたけど・・)
「盗聴器は城内すべてについています。それらを統括するのも魔導士の仕事ですから」(マッチョサン)
②名乗りについて
・上位の者が下位の者に名乗るのは 親愛のあかし
下位の者が上位の者に名乗るのは 忠誠の印
・特にそれを明確に示すのが「名を捧げる」と告げる事
「だから 私達がその 名前を名乗らないのは 名をすでに捨てたからであって、不忠ではないのだということをわかってください」(神官A)
「むしろ 新たな呼び名を決めて頂くことにより 私達が臣従を誓ったと受け止めて欲しいのです。」(神官B)
「魔導士や神官は 名前を使った秘術を扱うことがあるので、奥様 長男様 次男様と言った一般的な呼称を使用し続け 真名を明かさず 呼び名としての固有名詞ももたないことをお勧めします」(マッチョマン)
③文字について
・ローゼンタール文字を見た時
私には ローゼンタール語の下に日本語の翻訳文が付いた状態で見える
5歳児には ローゼンタール語とひらがなで書かれた翻訳文が見える
3歳児には ローゼンタールの文字しか見えない
この現象は もしかしたら 5歳児達は絵本の読み聞かせを通してひらがな全部と一部のカタカナが読めるようになっているが 3歳児たちは まだ文字を覚えきっていないことが関係しているのかもしれない
・アルファベット
ローゼンタールの人には 記号としては認識できるが その発音や意味はわからない
番号呼びではあんまりな感じなので。神官たちの呼び名を
なぜドイツ語呼びかって?
声楽では 音階をドイツ語であー べー ツェーと発生するからです。
ちなみに ギターはポップスで使うので ギター譜では エーマイナーとかって英語呼びです
ローレンタールの文字はたぶんアルファベットではないかと思うのですが、ものすごく装飾的でよくわかりませんでした。
・数字
ローマ数字でした。よかった。
でも20以上の数になってくると読みにくいなぁ・・・
正直に言うと 私100以上の数をローマ数字でどうやって表すのか知らないや。
そこで教えてもらいました。
「読めても書けないと困るから」と言って
XL:40
(外国の服のサイズに時々XLってあるけど あれはサイズ40と言う意味だったのかしら?)
L:50
(マクドのラージサイズLとは また意味がちがうのですよね??)
LX:60
以下略
では65はLXV 99はXCIXかな?と思ってたずねてみたらあたりでした。
でも 99はまだ頑張れば何とか書けるけど 1999(MCMXCIX)なんてもはやなぞなぞレベルで 私には使えそうもありません
思わず 「算用数字」では だめなんでしょうか?」と質問してしまいました。
すると マッチョサンも神官さんも大層興味を示されたので
「1、2、3、」という文字から始まり、
ついでき心で「1兆1000億200万2千5百3十1」という呼称と「1,1000,2000,2531」という記載方法を提案してしまいました。
(新しいものを提案するなら 日本式にドットを打ってもいいじゃない。
そのほうがわかりやすいもん♡)
すると兆より上の単位はないのかと尋ねられたので
「なんで最後は「不可思議」なんだ、なぜ中略の部分は乗数であらわすのだ?」と聞かれたので、
「垓より上の単位の呼称は覚えていない、乗数を使えば意味は通じるし便利だから覚えなかった。
昔の人も10の64乗までは呼び名を決めたみたいだけど それ以上大きな数字はイメージがつかめないから「不可思議」と言う言葉であらわすことにしたのだと思う」
と説明したら 妙に納得されました。
「あーそういえば 「無量大数」10の68乗があったっけ」と付け足すと
「その意味は?」
「そんなんしらんやん 大きすぎ」と答えると大笑いされました。
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