第17話 大改造!\(◎o◎)/!→チーム結成

 子育てを通して 自分の過去を再体験して人間的成長につなげたり、新たな対人関係を構築することもできると 各方面から報告があがったおかげで、「5人の子供を幸せにするプロジェクト」が国家政策となった。


「んな大げさな!」


「なに 皆 ひまじゃったんだよ」A


「希望が生まれ、活気がでて 和やかになったのだからいんじゃないの」B 


そしてはじまったのが 子ども部屋の大改造というよりも 改築された離宮へのお引越しです。


・10mx10mの幼児用プールのある庭

 使用するときには気温にあわせた温水が注ぎこまれます。


 利用後は 安全と衛生の為に水は抜かれます。


 屋根付き。

 冬場は壁が入るので 防寒対策もばっちり。


・プールに面した浴室・更衣室


 3歳の子が座って肩まで浸かれる浴槽と 5歳の子が座って肩まで浸かれる浴槽の二つがある。


「至れりつくせりで恐縮です。

 でも 将来 子供達の背が伸びたらどうなるのですか?」


「そこはご心配なく。

 いずれ この国にこどもが生まれれば そちらにこの浴槽を回します。


 5人のお子様の成長にあわせて 新しい浴槽を設置することは まったく問題がありません」(コンラッド宰相)


コンラッド宰相は35歳。この若さでなぜ宰相かと言えば、

 10年前、当時の宰相(コンラッドの父)は妻が消えたことに気落ちして、宰相位を息子に譲ったからだそうだ。

 一説には 荒れ狂う国王の暴力三昧に耐えかねて、息子にその職務を押し付けたという噂もある。


 宰相になるまで騎士団所属だったため、ホーリー隊長とは仲が良い。

なんでも最愛の婚約者を失ったコンラッドと愛妻・愛息を失ったホーリー隊長の二人は、共に飲み共に乱闘を繰り返してその痛みを乗り越えた仲なのだそうだ。


「乱闘と言ってもあの二人が互いに打ち合っていただけなので 周りに被害は出なかったんですけど」(ブックストック)


「魔導士どもが不貞腐れて酒浸りになっておったので、あの二人が壊した武具の修理がすべてわしら神官の方に回って来て たいへんだったぞ」A


「そのわりに あの二人を焚きつけて新種の武器開発にいそしんでおられた方々もいましたなぁ」(サン)


(黒歴史と抱き合わせのサービス提供でしたorz)


・子供達用の浴室の隣には 大人専用・男女別の浴室・更衣室

 男子用の方が広いのは 人数比からして 当然の帰結


 でも 女子用に ジェット水流や泡の発生装置のついた浴槽があるのは、私へのサービスですね。感謝♡


 お礼を言うと 希望した日には バラや季節の果物を使った香り湯や、香油を使ったマッサージもつくとのこと。


 男性に体を触られることには抵抗があるのけれど、髪を洗ってもらえると嬉しいかもと思い、洗髪サービスはあるのかと尋ねると、水着着用でAおじいちゃんまたは彼が任命した人が洗ってくれることになった。


子供達の入浴介助とかち合わないようにしないといけないなぁ。


Aは子供達の入浴介助係の指導者&責任者に就任したのです。

 彼なら 安心して子供達の入浴を任せられるから。


・庭を挟んで 建物と反対側には 厩と馬場

 ここでは 5人の子供達専用のポニーが飼育され、乗馬の稽古


 私が練習するときは 衛兵達の馬場へ行くことに。


・子供用の浴室の隣(大人用の浴室とは反対側)に武道場まで用意されていました。


一応私の希望も入れて 板張りの体育館にクッション床の稽古場が併設されたもの


・体育館側には バスケットゴールも設置

 ゴールの高さは可動式として 今は中学生用の高さにしてあります。


 ゴールの使い方説明の為に、スタンディングシュート、ランニングシュートなどを見せると たいへん受けました!


 ピポット・パス・ドリブルなどを使った簡単なゲームを説明すると、その場で

神官・魔導士・騎士合同チームが編成され、大人達の試合開始!


子供達はすぐに観戦にあきてしまったので外に出て、神官さん達に作ってもらった柔らかくてよく弾む革のボールを使って、リフティングやボール蹴り遊びをすることにした。


隊長さんはさすがに目ざとく 自分のゲームを中断して私達のあとについて外に出てきてその様子を見ていましたが・・


私が両膝を使ってリズミカルにボールではねあげて遊びながら

子供達の流れ玉をつま先やかかとではねあげたりキックして子供の下へパスを回しているのを見て 「うぉー!」と叫んだ隊長。


その突き上げるような叫びにより 室内でバスケットに興じていた面々もぞろぞろ出てきた。


子供達がボール蹴りに乗ってきたところなので そのまま続けて私達5人は6個のボールとたわむれ続け・・


むしろ調子にのった次男と三男が どんどん私めがけてボールを蹴こんできたので

私もマイボールを子供たちの方へパスして、ボール6個を使った1:5のシュートゲームに発展。


最後は 私が「まいった!」と叫んで 子供達から飛んできたボールを全て足元に留めて並べてボールを回収して終わり。


いい汗をかきました。


「ピクニック用の芝生で このようなボール遊びができるとは驚きましたなぁ」C


「我々も柔らかいボールを作ったかいがあったというものです」D


「女こどもの衣服を替えるだけで これほど幼いときから これほど体を鍛えることができるのか?」(サン)


「私は 私は このボール遊びも騎士団にとりいれたい!」(ホーリー隊長)


「この遊びの名前を教えてください」(アルフレッド)


「今のは ただ単に足を使うボール遊び。

 でも「サッカー」と言う名のゲームもあるわ。

バスケットがボールをゴールに投げ入れ、膝から下の部分でボールに触れてはいけないゲームなら、サッカーはボールをゴールに蹴り込み、腕がボールに触れてはいけないという点で 対になるボールゲームと言えるかも」


というわけで 城内に大人用のサッカーコートとバスケットコートができ、職務の違いにこだわらない混成チームが結成されることになりました。


(なにかと派閥を作り対立を繰り返してきたこの国にとっては その場の成り行きでチームを結成していくこだわりの無さは、画期的なことなんだそうです。


 なにしろ ボールを入手するためには神官を仲間にする必要があり、

 チーム全員が出場し、一試合中にボールに触れる回数がメンバー全員同じでなければならないという独自ルームを加えておいたので・・しかも サッカーチームとバスケチームのメンバーは同じと言う縛りまで入れたので、派閥にこだわっていたらチームを結成できなかったのですww


しかもコートの造成及び整備は主に魔導士たちが行っていたので、魔導士会から 最低一人は魔導士を含んだチームでなければコートを使わせないという宣言がなされたために・・身体能力の高さが自慢の騎士たちも 魔導士や神官の体力に合わせたプレーや練習方法を考えなければならなくなったしだい。


おまけに 王様と法皇様が「わいろ禁止 脅迫禁止 抜け駆けと裏取引禁止etc」と言うお達しまで出しましたから。 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る