第11話 乗馬でお散歩

子供達が私と別行動をすることを拒んだので、その日は 午後から親子一緒に乗馬体験をすることになった。


子供達は ポニー。

私は 普通のお馬さん。


馬の背中というのは 大人の頭の上あたりにある。

そこに座って移動するというのは ちょっと怖い。


でも 子供の前では 私はいつも堂々とふるまうことにしているので 面の皮が厚くなりました。


手綱を持ってもらいながら、親子6人で騎乗しての城内庭めぐり

なかなか楽しゅうございました。


横並びになってこずえをながめたり、遠くの景色を楽しんだり。


飛び立った鳥の飛んでいく先を見ようと、急に体をひねって馬からずり落ちそうになったのは次男。

この子は いつも 衝動的に動いては事故をおこしかけるので、

枝にとまる鳥を目にした時から 私はさりげなく次男の隣に馬を寄せていたので とっさに手を伸ばして子供の襟首つかんで、ポニーの上に次男を引きもどした。


鳥の習性と次男の習性から、だいたいどっち方向に次男が落ちるかほぼ予想がついたので あえてその反対側で待機していた私。


次男のポニーの手綱を持っていた男は 次男に背を向けていたので何が起きたのかわからず、背後の護衛兵は少し離れていたので次男の落馬寸前状態にはまにあわず・・

私のとっさの行動に 男達はプチパニック


そこで 心臓バクバクを押し隠した私は 「馬から降りて 一度座り直す?」と明るく次男に声をかけ、ついでに男達も落ち着かせた。


けっきょく その場で 一度みんな馬から降りてお茶を頂きました。


馬の上での急な動きは禁物という一般的な注意のあと、とうぶん 何かを見る時は いったん馬から降りて観察しようと 子供達との間で話がまとまった。


そこから 派生して 馬のつなぎ方講習を 付き添いの騎士さん達にお願いした。


馬をつなぐ時の紐結び「ヒッチング・タイ」別名「馬つなぎ結び」

この結び方の特徴は、馬がつながっている側のロープはそれこそ馬が力一杯引っ張っても外れないのに、反対側の端を引くと一瞬にしてロープがほどけること。


その特徴も、わっかを二つ作って結びをつくるところも 船を係留するときのもやい結びと似ているが、馬つなぎ結びの場合 出来上がった結び目に大きなわっかが残っていることがちがいかな。


といっても もやい結びの末端を引き解け結びにしただけのように思うのだが・・・


などと考えながら ロープを結んだりほどいたりしていたら

 またもや騎士たちから怪訝な顔をされてしまった。


子供達は すぐに 私のやっていることの意味に気が付いて

「馬つなぎ結び」と「もやい結び」と「縮め結び」のおさらい&スピード競争をはじめ、さらにもやい結びを使った救助ごっこまでやりそうだったので、「それは 馬を驚かせるからだめ」と事前にストップをかけた。


その後は 再び 馬に乗って厩舎に戻った。


次男のハプニングは毎度のことながら・・やっぱり心臓に悪い・・・

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