第7話 お召しかえ


子供たちの「腹減はらへった」コールにより、 ブランチはパジャマのままでと言うことになった。


というのも 子供服に関して意見の対立が生じたからだ。


案の定というか予想通りと言うか、子供服が みんなぴらぴらの王子様・お姫様服だった。


子供達がもう少し落ち着くまで 自分で脱いだり着たりできる、汗をよく吸い 動きやすくて洗濯しやすいシャツ・ズボン又はスカートを求めたら・・


喧々諤々けんけんがくがくの末に とりあえず王城内では私の要求するデザインの服を着ることが許され、したてなおすことになった。


「子供の性別のわからぬ人達の選んだ服など着せられない」が決めのせりふとなった。


実はうちの子、みんな顔がそっくりだけど・・ 上の2人は男2 下の3人は男1女2なのだ。

しかし ここに転移してきた日は 全員半ズボンだったので、わからなかったらしい。

 (長男と次男は一卵性双子で顔立ちはそっくりだが、凛々りりしくも優し気な雰囲気があるので、なぜか おとなしくしている方が女の子とまちがわれてしまう。

それで、長男がおとなしいときは長男が女の子に 次男がおとなしいときは次男が女の子にまちがわれるので笑っちゃう。)


そして私の服装も ドレスの着付けができる侍女が居ないので シンプルな部屋着やロープ 騎士服が基本となってしまった。


教会の人間達の間では 宦官かんがんを作ってはべらせるという意見も出たそうだが、立候補者もおらず 私も「とんでもない!」と断ったので 一同ほっとして 「私や子供達が一人で着脱できる服」におちついたのであった。


(この国の女性服や子供服は 華美で重くて一人で着脱不能どころか 一人で歩くのもつらいようなデザインばかりだった。もしかして あの衣装が嫌でみんな魔法を使って集団脱走したのではなかろうか?と思うくらい 動きにくい 着脱しにくい衣装ばっかりだった)


まっ 私も 子供達の服を自作していたので、宮廷お抱えの仕立て屋に型紙を示すくらいのことは できた。

 そして彼らは とても優秀なお針子でもあったので、とても素敵な日常着がふんだんに用意されました。


さらに、ここに来てほどなく この城の人間達も 子供服は着脱しやすく洗濯しやすく着心地良くて経済的な物をという意味を理解するに至りました。

 だって こどもたちは パジャマや湯上り着もふくめれば 1日5・6回着替えるのだものww


 しかも 起きている間中 にぎやかに忙しく 口も体も動いている。

 なんでも自分にやることに慣れていて でも うまくいかないところだけは素早く大人(ママ)に声をかけてもらうことにも慣れているから・・

 おじちゃんやおじいちゃんたちは 着替えの手伝いができなかったのです(笑)


 とにかく活発で よく遊び よく汗をかく。


 こまめに手洗いをするのは良いのだけど、手を洗う時に 袖口を濡らす。


袖口が濡れるのは、洗面台が大きすぎたり 蛇口の位置が高すぎるからなので・・

魔法使いの叔父さん達が 洗面台を子供サイズにしてくれました。


あわせて 風呂桶やフロイスなどの日用品も 子供サイズにしていただけないだろうかとお伺いをたてると かなえてくれました。


  至れり尽くせりです。 ありがとう。

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