第5話 新居:主にお風呂

聖母子認定されたおかげで 私達は 特別室に案内され いたれりくせりのお世話を受けることになった。


と言っても なぜか女性と子供のいない世界になって10年の国なので

お世話係が 全員25歳以上の男性 主におじいちゃんたちというのがなんなんですが・・


とにかく 子供用の服と女性用の服が どっちゃり運ばれてきた。


寝室が3つ 

 キングサイズのベッド トイレ・洗面・シャワールームつき


ジャグジー・ジェットバス・温水プールと2つのバスタブ その他の付いたバスルームにミストルームとホットルームつき

 子供達は ジャグジーに入りたがったが、まず泡の発生状況と水流を確認


 浴室つき魔法使いが ジャグジーの泡と流れを 子供にも安全な様に非常にゆるやかにしてくれた。また湯量と湯温も 子供にとって適切なものになるようにしてくれた。


 ちなみに この風呂場は消毒薬などを使わず、入浴後は湯を抜いて浴槽を洗う式なんだそうだ。 うーんぜいたく!


 一方ジェットバスは 私専用ということで、鍵付きの浴室で湯をはったり水流調節は私にしかできないようにした。

 (私だけが使えるそれら専用の杖をもらった。同じ仕様の杖を専任のお掃除係が持っている)

 これも 子供達の安全対策だ。


お湯がもったいないので、ジャグジーとジェットバス そしてバスタブ一つだけに

湯を張ってもらった。

 どこに行っても 常に節約精神を発揮してしまう私。

 こういうのを貧乏性というのでしょうか??


子供たちは温水プールも含めた全部に入りたいとブーブー言ったが、「明日の楽しみがなくなるでしょ」と言ったら 納得した子も渋々しぶしぶ黙った子も それぞれの個性により異なる反応(いつものことだ)


着替えやタオル・石鹸類を確保したあと、お世話係には全員出て行ってもらった。


一応各部屋にはインターホンがついている


そして私達の部屋に おつきの人達の為の控えの間の付属している。


とにかく 親子そろって入浴タイム


あー侍女さんがいればなー 子供達の頭を洗ってもらえるのに・・・

 実は 私の頭も洗ってもらいたかったりして


まずは親子そろって 体洗い体操

 「う~で う~で ごしごしごし」

 「首 首 首 反対側もぉ 首 首 首」

そして 肩 胸とすすんで

「おなか おなか くるくるやさしく くるくるりん」(以下略)


おはやしの掛け声のように囃し立てながら 体を洗っていく。

 この掛け声には もちろん タオル洗い 手ぬぐい絞りのフレーズもついている。


次に 私は5人分の頭を順に洗っていく


順番待ちの子供達は 楽しく湯舟で水遊びならぬおふろごっこだ。

 そういえば ここには おもちゃのあひるさんとか お風呂用のじょうろがないなぁ・・

 子供用の手桶や 子供用の風呂椅子も欲しい。


人の言いつけも聞かずに ジェット風呂に入りに行った子が、あんじょう 足を滑らせて沈んだ。

 すばやく近づいてひきあげたあと、抱き抱えて湯船から出した。


「10才になるまで ジェット水流禁止」


「ごめん ふわーと浮いたと思ったら沈んで 立てなかった」と言いながら次男は私にしがみついている


「それが 水の力なのよ。だから 体が大きく重くなるまでジェット風呂は使用不可」背中をポンポン叩いてやった。


「はい。溺れるかと思った」


「危なかった」そういって 子供抱きしめ「こっちの湯船で温まってから出たら?」と声をかけて子供用のバスタブのそばに降ろして、私は末っ子の頭洗いを再開


親子6人 体をあらって頭も洗うと バスタブやジャグジーのお湯がかなり減ってしまった。


子供達は バスタブにつかったり ジャグジーに足をつけたりと忙しいことだ。


それでも1時間もわいわいしていると さすがにやることがなくなって 子供らは全員脱衣室へ。

そこでは お世話係の爺様たちが待ち構えていて 頭を乾かしてくれたのは大助かりだ。


私も バスルームの隅で体をいてパジャマを着てガウンを羽織って脱衣室へ。

そこで 比較的若そうなマッチョな男性が頭を乾かしてくれました。

 

 最初はガタイの良い男性が脱衣室に居るのでビビったのですが、

実は彼は魔法使いで しかし男ばかりの暮らしが10年も続くと体を鍛えるか賭博しか日々の楽しみがなくなってしまい、魔法使いばかりで賭けごとをすると、マジック・トリックのうまい人が勝つので面白くなく、毎日武術の鍛錬に明け暮れた結果マッチョになってしまったという話を面白おかしく語ってくれたので、緊張もほぐれました。


ちなみに 私達のお風呂係に派遣されたのは、魔法の腕の良さと年齢が上な者から順番に選ばれたそうです。

 そして彼は じい様ばかりでは 腕白たちが窮屈だろうと若手代表(の中の年長者)として選ばれたらしいのですが、子供達がみんなおじいちゃんになついてしまったので、私の頭を乾かす係になってしまったそうです。


ほどよい温風でさらりと髪を乾かしてもらって気持ちよかった。♬


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