中級編

第6話 中級、開始

 情報を整理しよう。

 どうも、不磨七五三夫です。

 中級の迷宮へ潜ることができるようになりました。

 その前に、初級と中級の違いを一から確認しているところです。

 大体がこのくらいでしょうか。


 ・初級と違い、他の冒険者も同じ領域で活動している。

 ・迷宮内での行動は全てギルド側に記録されている。

 ・モンスターの質、量が段違い。


 こんな感じです。

 ほかの冒険者と出会うというのもあれですが、一番驚いたのが一連の行動をギルド側が監視しているという点でしょうか。

 つまるところ、中級の迷宮はギルドが管理しているわけで……というのも、残念な話というか虚偽の報告や通報、中抜きとか色々あったそうで。

 そこから実力のある冒険者たちによる徹底管理と監視が行われているらしい。

 これはつまり、そばに常に誰かがついている、ということ、らしい。

 隠密系のスキル所持者、それも中級に潜る程度の連中では気づけないほどの実力を持つ集団に監視されているなんて。

 素で考えればめちゃくちゃ怖い……ただ、その集団は決して冒険者には干渉しないのがルールとして定められているらしく、例え、目の前で死にそうになっても絶対に助けてくれることはないそうです。

 

 怖い。

 

 冒険者同士の殺し合いもあると聞いて、正直二の足を踏んでいる自分がいる。

 いい様に扱われておしまいなんじゃないだろうか。そもそも、分不相応じゃないだろうか。

 一人でどこまでいけるのだろうか。

 誰かパーティを組んで。

 それで。

 それで?

 組まずに頑張ってこれたじゃないか、僕。

 ソロでも生きてたじゃないか。

 つらくても、がんばろうって。

 潜ってもないのに、諦めるのは、早い。

 戦わなければ。

 まずは、一度潜って確認からだ。

 そこからだ。

 よし。

 がんばろう。




 結論。

 ソロで生き抜くのはアホほど難しい。

 初級のように動けば間違いなく死ぬことが分かった。

 この先のことが暗い。

 つれえわ。


 でも。


 楽しくなってきた。


 頑張ろう。

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