第3話 ゴブリン解体

 こいつを今から殺します。


 あ、どうも。

 不磨七五三夫です。

 こんにちは。

 今からね、ゴブリンを殺します。

 クエストっていうのがありまして、ええ。

 その中には特定のモンスターの部位を求めることがあるんです。

 今回は『ゴブリンの生き肝』を三つ。

 そして、ここには僕の罠に捕まったゴブリンが三体。

 すごいわからない言葉で騒がれるので、頬に木杭を打ちこんで黙らせています。

 こうすると、呼吸することに夢中で騒がなくなるんですね。

 痛みはあるとは思うんです。けど、これ以上すると、鮮度に関わるんで。

 話は戻すんですが、肝なんですけど、大体人体と変わりません。

 また人よりしぶといので、腹掻っ捌いた程度では死んだりしません。

 手足に処理を施さないと暴れますので、必ず手足にも杭を打ち込みましょう。

 ロープは力がある方にはお勧めできますが、経験があるゴブリンの場合、ロープを解いて脱出したり、そのまま襲撃されたり奇襲されたりするので、どんな方でも確実にする場合は、杭を打ち込みましょう。

 首にロープをかけて生死ギリギリの状態にしての解体方法もありますが、その場合糞尿がまき散ったり、いざ腹を切ると運動によって血が吹き出まくったりで、とてもじゃありませんが、お勧めできません。

 ですので、今回は杭を使用した解体となります。杭自体は各教会から低価格で販売されていますので、初心者にもお勧めです。


 解体する道具は、必ず、刃物を扱っている店のものを使います。

 露店や出張商人から買うのは絶対にやめましょう、ほぼ確実に不良品です。

 解体途中に折れる、そもそも刺さらない等々、悲惨なことになります。

 なりました。

 ですので、必ず、店で買いましょう。

 店は国によって認定されているので生半可なものは出せません。

 多少値は張りますが、命には代えられません。

 腹を裂きましょう。

 上から下へ向けて、です。

 逆から切ると、大変なことになります。

 腹を裂いたら、そのまま手を突っ込みます。

 ここからは時間勝負です。

 肉がうねり、身をよじってもがき始めるので、場所をあらかじめゴブリンの死体で調べておきましょう。

 慣れてくると二十秒もかかりません。

 ここで一つポイント。

 必ず、素手で引っ張って、ちぎりましょう。

 生き肝に刃をいれると鮮度云々で文句を言われます。

 必ず。

 素手で。

 引きちぎりましょう。

 つかんで、引っ張るだけです。

 これでもゴブリンは死にませんので、他のクエストも兼ねている場合は、そのまま他の部位も取ってしまいましょう。

 これを後、三度繰り返すだけです。

 ね。

 簡単でしょう。




 はあ。


 何が悲しくて、高校生活じゃなくて、こんな。


 つれえわ。


 がんばろう。

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