第8話 コロシアム

 16歳になった誠はやっと年齢制限を解除され、入る事を許された町のコロシアムにきていた。


「どいつもこいつも雑魚ばかりだな…」


 コロシアムでは団体戦と個人戦に分かれており、ランキング付けされている。


 A級・B級・C級・D級・E級


 A級になると、4年1度行われるA級トーナメントに参加する資格を得て、そこで優勝すると同じく4年に一度行われるオニンピックへの出場資格を得る。


 A級トーナメントは3人が一組となり、サイコロを転がして出た数字で戦い方が決まる。


1:3人がそれぞれ誰かと戦い、勝利数が多いチームが勝ち。


2:3人の内、勝ち抜き方式でうまくいけば1人だけでも勝てる試合。


3:3人の内、ランダムで一人が選ばれて戦う代表戦


4:3人の内、一人を選んで戦う代表戦


5:代表2名を選んで戦う、コンビ戦


6:3人が集団で戦う合同戦


 これらの対戦方法はオニンピックとほとんど同じになっている。


 一番異なるのは、オニンピックでは選手が5人であること、補欠を入れると8人まで登録が可能であることだ。


 つまり、トーナメントで優勝したチームから3人、残りは個人戦ランキング上位がオニンピック出場者となるのだ。

 

 今日、誠が観戦しているのは、Bランクの個人戦と団体戦である。


 正直、訓練を積んだ今の誠であれば、1秒もあれば倒すことができる。


 ちなみに、故意の殺害は禁止である。


 故意に殺害したものは、国内全域においてライセンスの永久剥奪となる。


「はぁ…これでBランクか…オニンピックで1回も勝てないわけだ…」


 誠はがっかりした。


 自分よりも強い者はいないと思ってはいたが、ここまでレベルが低いとは思わなかった。


 そして、来週からEランクから始めなければならない個人戦を思って、気が重くなる。


「一応来てみたけど、時間の無駄だったな…おい!じぃ、戻るぞ。帰って飯にする。」


 誠の執事である権蔵は60歳を過ぎた白髪の青鬼である。


「はい、誠様。直ぐに伝令を出しますので、帰るころには直ぐに夕食を召し上がれるかと。」


「いいだろう、それじゃあ帰るぞ。後、今日選手登録を済ませておけ、明日からこの暇なコロシアムに参加してやる。」


 そういうと、誠は馬車に乗り、館に戻るのだった。

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