第7話 屋敷

 少年は町長から言われた通り屋敷にやってきた。


 その屋敷を初めて見た時、あまりの大きさに驚愕する。


 そしてどうやら、飯も必要な物も全て、近くにいる者達がやってくれるみたいだ。


 少年は力を持っているからこそ手に入れられたと納得した。


 もう奪う必要はない…なぜなら奪う前に与えてくれるからだ…


 そう理解するや、少年は安心した。


 もう檻に閉じ込められなくて済むと…


 少年にとって、館での生活は正に快適そのものであった。


 そして、そこで町長が仕組んだ道徳教育を受けることになる。


 秘書は、町長の指示通り、無理矢理教育を施せば無為に死体を増やすだけだと思い、町長には黙って作戦を変えた。


 日常の中で、さりげなく道徳教育を施していくのがまずは第一段階。


 次に自らが自分で興味を持つように誘導した後に、鬼族のルールと年齢相応の心を教えていく。


 この方策は的中した。


 誠は次第に、年相応の子供と同じ様に成長していくことになるのだった…


 そして時は流れ…誠は16歳になる…

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