第4話 食事

 誠は、どうやって生きていけばいいのかわからなかった。


 生きるには食料が必要…


 生きるには寝床が必要…


 どうすればいい?


 簡単だった…


 ないなら、ある者から奪えばいい。


 少年が商業区画を歩いていると美味しい匂いがした。


 モツ煮専門店である。


 少年は食べた事がない、いい匂いにつられてその店に入った。


「へい、らっしゃい!ん?お父さんとお母さんはどこかな?」


 店主は、子供が一人で店に入ってきたことから尋ねた。


「・・・・・・・・・・・・・・・」


 誠は無言になる。


 そしておもむろにその店主の首をはねた。


 辺りは騒然とするも、誠は無言で椅子に座り、一言発する。


「ご飯…」


 しかし、周りはそれどころではない。


 いきなり、小さな少年に店主が殺されたのだ、周囲は混沌とする。


「キャーーーーーーーーー!!!」

「なんだこれは!?」

「あいつがやったのか!?」

「医者を呼べ!!!!」

「もう無理だろ!!それよりあいつどうすんだよ!」


 そんな騒がしい周りをよそに、ご飯がこない誠は痺れを切らした。


 誠の周りがどんどん凍っていく…


「早く…それ食べたい…」


 誠は一番近くにいた女性にモツ煮を指差していった。


 女性は恐怖した…が、本能がそれに従った。


「今すぐ持ってきますので、殺さないでください!!」


 女性は急いでモツ煮をよそって少年に渡した。


 少年は黙って、モツ煮を受け取り食べ始めた。


「美味しい…」


 少年は生まれて初めてモツ煮を食べた。

 そう、死体のすぐそばで笑顔を見せながら…


 その笑みはとても5歳の少年がする表情ではない。


 周りの鬼達は息を飲み込む。


 少年の邪悪な笑みを見て…

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