第3話 外の世界

 誠は生まれて初めて外の世界を見た。


 外は眩しい程明るく、そして広かった…


 外に出ると、周囲が慌ただしくなる。


「悪魔の子が外に出ているぞ!」

「どうなってるんだ!あいつを探せ!」

「中で…死んでます…母親も死んでる…」

「捕まえろ!あの餓鬼を殺せ!!」


 怖い顔や恐怖におびえた顔をした鬼達が少年を囲んでいく。


 しかし、少年の顔には一切表情の変化はなかった…ただ一言…


「邪魔…」


 少年は外の世界を遮る鬼達が煩わしかった。


 体を一回転させると氷の手刀を薙ぎ払う。


 周りの鬼達は虫けらのように、上半身と下半身を真っ二つにされて倒れた。


 沢山の鬼を殺した少年の顔にはやはり変化はない。


 こうして彼は外の世界へと解放されたのであった。

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