第2話 誠
少年の名前は
誠
母がくれた名前らしいがその名前の意味はわからない…
その少年は、物心がつく頃には小さな檻の中に入れられていた。
父と母の記憶はほとんどない。
言葉もほとんど話すことはない。
しかし、周りの会話で少しは理解できた。
なぜ、少年は檻の中で孤独に暮らしていかなければならなかったのか。
それは、村一番の強者である父親が、自分よりも強い者を疎んだ…否…恐れたせいであった。
人との間にできた子がここまで強い才能を持つとは思わなかったのだ。
自分の忠実な子として育てていく予定が、凶悪な力の発現を目の当たりし、恐怖したのである。
それ以降、少年は母親から引き離され、父である鬼の管理の下、檻で暮らすことになる。
母親は限界だった。
何の罪もない、愛する自分の子供がいつまでも親の愛を知らず、孤独に生きていることが我慢できなかった。
故に、鬼の目を盗んで子供を檻から出そうとするが、見つかってしまった。
その鬼は激怒した。
息子の力に恐怖していた鬼は、子供が力を発動する前に殺そうとする。
しかし、母親の命によってそれは防がれてしまったのだ。
そして、自らも自分の息子に殺されることとなった。
少年は5歳にして両親を失った。
そして…自由を手に入れた…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます