第6話 女子トーク

「おつかれさま〜」


日勤からの申し送りも終わって

ちょっと落ち着いてるナースステーション


あ、いた。


「後藤さん、今日どう?ご飯」

「あ〜えっとぉ」


「え〜ナニナニ〜ご飯連れてってくれるんですか〜?」

近くにいた鳥谷さんが先に反応


「あ、良かったら、みんなも」


「やったー、行ける人聞いてきまーす」




「なんか、すみません」

「友希ちゃんが謝らなくてもいいよ

お礼は、今度ね!今日はみんなで行こ」


今度は小声で伝える。





人数が増えたので、近くのラーメン屋さんへ

台湾ラーメンが有名な、なかなかの人気店


コレが女子トークってやつか

話題が次から次へと。


「ねぇ、祥子センセイは付き合ってる人いるんですかぁ?」


ゴホっ!

思わずむせたのは、ラーメンが辛かったせいではない


「聞きた〜い!センセイの恋バナ」

「でも、そんな暇ないかぁ?」

「ずっと病院にいるもんねぇ」


答える前に、いろんな意見が飛び交う


「今はいないけど...」


「前はいたんですか?」

「どんな人〜?」

「いつデートしてたの〜?」


畳みかけてくるなぁ


「ん〜相手も忙しい人で、デートっていうか〜

一緒に住んでたから」


「え〜!!!」

「うそ〜」

「きゃー」



なんだか凄い反応だけど

みんな楽しそう



あれ?

友希ちゃん、顔、青くない?



「後藤さん、大丈夫?」

「あ、大丈夫です。ちょっと飲み過ぎちゃったみたいで」





みんなを送り届けて

最後に、友希ちゃんを送る


「ありがとうございました。すみません、結局みんなの分まで出して貰っちゃって」


「だから、友希ちゃんが謝らなくてもいいって!ラーメンだし。2人の時は、もうちょっと高いものでも大丈夫だからね!」


なんだかやっぱり元気ない?


「あの、センセイ...」

「どーした?やっぱり調子悪い?」

「いえ、大丈夫です」



「あ、連絡先交換しよ!今度は内緒で誘うから。」


「あ、はい。」



ふるふる

ふるふる



〜〜〜〜〜


あ〜なんだろ

センセイの恋バナ聞いてから

こんなに動揺するなんて


そりゃ、いるよね

付き合ってた人の1人や2人


何意識してんだろ


ちょっと親しくなっただけなのに

自意識過剰にも程がある


でも気になる

聞きたかったのに、聞けなかった

え?何を聞く気だったんだろ

聞いたらまた落ち込むだけなのに


はぁぁ

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