第2話 球場

「ごめん〜遅くなっちゃった」


球場に到着した時には、3回の攻撃中だった

まずは、チケットに記載された席へ急ぐ

いた!ちゃんと来てくれてた


3塁側だけど、なかなかの良席


「あ、おつかれさまです。忙しかったですか?」

「うん、ちょっとね。何か食べた?買って来ようか?」

「えっと、まだですけど。私が行きますよ、何がいいですか?」

「じゃ、一緒に行こっか」


攻撃中だけど、終わったら混むから今のうちに



「センセイは師長と仲良いんですね」

「仲良くみえる?実は、、弱み握られてるんだよね〜」

「え〜どんな弱みですか〜」

「それがさぁ〜って、言うか〜

言えないから弱みなんじゃん」


「あはっ!そうですね」


一通り

おつまみや飲み物を買って


「じゃ、かんぱ〜い」

「かんぱ〜い!って、先生ウーロン茶じゃないですかぁ」

「うん、あ、後藤さんは遠慮せず飲んで!あ、後藤さん、名前は...」


「友希です」

「じゃぁ、友希ちゃん!」

「なんか照れますね」


ふっ、ホントに赤くなってる

「面白いなぁ」



オォォ〜〜

いいあたり〜


歓声が上がる

盛り上がる


「友希ちゃん、救命救急は慣れた?」

「いえ、なかなかです。

覚えることも多いし、なによりスピード感が違うから」

「そーだねぇ、でも合ってる気がするよ!」

「そ、そうですか?」


あ、また赤くなった



試合はシーソーゲーム

終盤リードされ

追いつけそうで

追いつけず



「ねぇ、楽しい?

無理矢理付き合わせちゃったけど」

「はい、楽しいです!賑やかですね」

「なら、良かった」


「選手の人たち、大きいですね〜」

「ん?まぁ、プロだからね、そりゃ大きいよね」


「下半身とか、、しっかりしてる」

「へ?」

「あ〜違いますよ、変な意味じゃなくて〜中臀筋とかハムとか…」


あっはっ〜

「何を言い出すかと思った!?」

やばい、ツボ

「え〜そんな 笑いすぎ...」


耳まで真っ赤



「ごめん、笑いすぎた。でも面白いんだもん」



結局、最後まで追いつけず

一点差負け


「じゃぁ、帰ろうか」

「はい。」


球場を出るが、凄い人

押し潰されそうになりながら


「あ、こっち!」

手を取って誘導

地下鉄へ向かう人たちと離れると

ようやく空いてきた



「今日、車で来たから送るね」

「あ、ありがとうございます。あの、手」

「え?あぁごめん」


繋いでいた手を離す



ナビしてもらいながら

無事に送り届ける


「病院に近いんだねぇ、いいなぁ」

「はい!15分くらいです。先生は遠いんですか?」

「そうだね、遅くなると帰るの面倒になって、当直室に泊まっちゃう」


「あ、それ聞いたことあります

祥子センセイ、病院に住んでるって噂」


「まじか〜今日は帰るから!」

「はい、ゆっくり休んでください」

「ん、じゃ、また」

「ありがとうございました」



〜〜〜


センセイの車を見送って


はぁぁ〜

今日は緊張しっぱなしだった

とんでもないこと口走っちゃったし

でも、祥子センセイ

病院と違って

ずっと笑ってたなぁ


あ、私が笑われてたのか?

恥ずかしい




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