第2話 2/6 お風呂の日
6:11-6:43
小説になりそうなお風呂のシチュエーションとは?
・幼い子どもと親→大人になって、親の背中を流すように→こんなに背中が小さかっただろうか→祖母祖父に預けられていた子どもで、介護するようになってとか(しんどそうなので保留)
・カップルのイチャイチャ→ホラーの定番で犠牲になるやつ→を覆して実は殺人鬼を狩るために派遣されれた最強カップルだったとか?→楽しいのでアリ
・カップルでイチャイチャしてるけど、実はそれぞれ心のうちに何かを隠していて…みたいなパターンもありかも
・大衆浴場での年齢を超えた出会いとか→結婚を悩む男性と、それを応援するおじさん→結婚を決意した男性、顔合わせで彼女の父ということが判明して互いにアワワする
最後ので
(チャレンジ終了後/時間配分ミスりました。あと完全一人称のとコメディもしかして苦手なのでは…?というのが浮き彫りに)
***
(起)
水曜の夜、少し遠くの銭湯に行くのが趣味だ。
なぜ水曜か。水曜さえ超えれば、なんとなく木金は惰性で行ける気がしているので、どうしても水曜日に癒しを求めてしまう。あと見たいテレビが特になかったので。
「はぁ~……」
銭湯は広い。とにかく広い。僕は特に体格のいい方ではないけれど、自宅の風呂は身をかがめなければならないほどの狭さ。ここぞとばかりに手足を広げて、長い溜息と共に、疲れを吐き出す。
「……おっ兄ちゃん、やってるねえ」
「あっサトウさん、こんばんは」
「よっこらせっと……ふぅーっサトウくんがいるってことはようやく水曜か」
「ようやくですねえ」
彼はこの銭湯の常連で、僕と名字が同じなので、サトウさんサトウくんと呼び合っている。
名字が同じというのと、なんだかんだで気に入ってもらえて、ちょっとした雑談なんかをよくする仲である。
最初はちょっと面倒に感じていたけれど、最近では仕事の悩みやら彼女との喧嘩を相談したりして、まあ、年の離れた友人と言ってもぐらいにはなっている、と思う。
「この年になって思うんだけどよ、一日は長いのに、一年はあっと言う間なんだよなあ。なんなんだろうな、これ」
「あ、僕もそれ思います。最近見た映画がテレビでやってるなーと思ったら、五年前だったり。五年前のこと最近って言ったらヤバイですよって新卒の子に言われちゃいまして」
「五年前なんかつい最近だろー」
それは五年前、彼女と初めてデートに行ったときの映画だった。
まだ互いにぎこちなく、敬語なんか使っていて、彼女との関係性で見ればすごく昔に感じる。けれど映画はつい最近に感じる、というなんだか謎の時間感覚になってしまっている。多分一緒に過ごした時間の長さかもしれない。映画は二時間弱、それは一回のデートより少なかった。
(承)
「僕、今週の土曜、プロポーズすることに決めました!」
「おっ!とうとう決意したか! 男前!」
(転)
結果から言えば、プロポーズは成功だった。
むしろ、もっと早く言ってくれても良かったのに、と照れ隠しに半ば怒りながら言われたぐらいだ。
照れ隠しだったはずだ、うん。
「えっ……」
そんな声を出したのは互いにだった。
緊張して開けた彼女の家の玄関。開けたのは、よく見知った顔だった。
「いや………いやいや」
(結)
「娘さんをください!」
「許さんぞ!!」
「ええっ!?」
「言ってみたかっただけだ」
「娘ともども、今後ともよろしく」
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