アイテム分配
俺は武器の種類をメモに記載。その後ろに扱える幹部の名前を記入して整理することにした。
剣 :リナ、カイン(サブロウ)
大剣 :
槍 :シオン○、イザヨイ×、セタンタ×、アイアン
刀 :コテツ
斧 :ブルー
両手斧 :
短剣 :カエデ
鞭 :レイラ
鈍器 :レッド、ノワール、ルージュ、アベル
ナックル:タカハル、ヒビキ
杖 :サラ、フローラ、ヤタロウ、カノン
弓 :クロエ、ダクエル、クレハ
投擲 :
銃 :
防具は
武器に関しては、確定で渡せるのはリナ、コテツ、タカハル、サラの4人。後は、短剣もカエデに確定でいいだろう。
問題となるのは《配下創造》で創造した幹部だな。付き合いの長い幹部には愛着はあるが、希少価値は低い。手塩にかけた故に大切な配下ではあるが……例えば、斧に関してはブルーよりも巧みに扱える人類や魔王は探せば何人も存在するだろう。
神器は1種類につき1つしか創造することが出来ず、譲渡することも出来ない。
慎重な判断が必要となる。
人類と魔王は最初に自分の扱う武器をある程度は選択出来る。ならば、好んで鞭を選ぶ者は少ないだろう。鞭はレイラに与えてもいいかもしれない。レイラに与えるとなるとクロエにも与えたくなるが……弓を扱う人類と魔王は多いだろう。弓の名手を今後配下に出来る可能性は低くはない。
うーん……元魔王とレイラのみに神器を与えたら幹部の中で余計な軋轢が生まれる可能性はあるのか?
創造した配下は従順だが、感情はある。カノン曰く、クロエやレイラは元魔王の幹部に嫉妬心を抱いていると聞いたこともある。レイラのみ与えたら、創造された配下間にも余計な軋轢が生まれるかも知れない。元魔王の幹部――リナ部隊と、創造された配下――クロエの部隊が共闘するのは大規模な戦いのみだ。
ならば同じ部隊のリナ、コテツ、タカハル、サラのみに授与するのが妥当か。
防具は、服と靴と装飾品の全ては俺が扱うとして……軽鎧はリナ。残りは保留だな。
そうなると、余った武器は大剣、斧、両手斧、鞭、鈍器、弓、投擲、銃か。
ん? 待てよ。
俺はスマートフォンを操作してとあるカテゴリーのアイテムを検索する。
銃ってユニークアイテムだけなのか……。
消費CP5000の魔銃(マジックブラスター)、消費CP7500の炎銃(ファイヤーブラスター)、消費CP10000の雷銃(サンダーブラスター)。
俺はスマートフォンを操作して消費CPの一番少ない魔銃を錬成。眩い光が収束すると、目の前に白銀の小型銃が現れた。
意外に小さいな。
俺は片手に収まった白銀に輝く銃――魔銃を眺める。
弾とかは錬成アイテムの欄には存在しなかったが……使えるのか?
俺は自室から出て、誰もいない支配領域で試し打ちをすることにした。
目的地に辿り着いた俺は無機質な壁に向かって引き金を引くと、銃口から青白い光の弾が壁へと放出された。
銃を扱うことなど初めての経験だが、反動などは特になかった。
装填とか必要ないのか? 弾数とはあるのか……?
俺は壁に向かって、引き金を引き続ける。
試し打ちを終えて判明したことは3つ。
連射は出来ない。リロードと言う訳ではないが、次の弾を放出するまでに3秒ほどの時間が必要であった。弾数は――無限。正確には、俺の魔力が持つ限り放出をし続けることが出来る。連射して気付いたのだが、何十発と放つと魔法を連発したときと同じ疲労感に襲われる。恐らく、この銃は俺の魔力を弾に変えて放出しているのだろう。
そして、戦闘スタイル次第だが槍を扱いながら銃を使用することも可能であった。
このコワレタ世界では装備条件というものは存在しない。あるのは、適性のみだ。極論で言えば、二刀流も可能だ。しかし、二刀流で名を馳せた人類や魔王は存在しない。何故なのか? ――答えは、二刀流は現実的ではないからだ。左右の手に武器を持つことは出来ても扱うことは出来ない。何より、特殊能力で繰り出せる技の数々が二刀流に対応していない。
サブロウが何度か挑戦していたが、気付けば利き手に持った武器のみで攻撃しており、逆手に持った武器はただの飾り、もっと言えば負担になっていた。
それだけ、左右の手に武器を持って扱うのは難しく、現実的ではなかった。
しかし、引き金を引くだけという単純な銃ならどうだろうか?
槍を振り回しながら銃を放つ、と言うスタイリッシュな戦い方は無理でも遠距離から銃、中距離から槍という戦い方は可能だ。このサイズの銃なら腰に下げていても邪魔にならない。
と言うことで、神器――グローブラストの所有権も俺に設定することにした。
神器の配分については決定した。
後は実践だ。Fランクにまで下がったアイテムがどれだけ弱いのか確認する必要がある。
とは言え、そんなFランクの武器を試す都合の良い支配領域は……。
――!
あるな。とある支配領域を思い出した俺は神器を授与する幹部を呼び寄せることにしたのであった。
◆
「――と言う訳で今から神器を授与するが、何か質問はあるか?」
俺は錬成をAランクへと成長させたことと、神器についての説明を集まった幹部――リナ、コテツ、タカハル、サラ、ヒビキ、カエデへと説明した。
「えっと、クロエっちとかレイラっちには神器を貰ったことは秘密みたいな?」
「そうなるな。面倒なやっかみはサラたちも避けたいだろ?」
「あーしの才能を妬む気持ちは分かるけど、マジ勘弁」
サラは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「シオン、私からもいいか?」
「何だ?」
続いてリナが俺に問い掛けてくる。
「レイラやレッドたちには神器は渡さないのか?」
「レイラたちにはユニークアイテムを渡す。勿論、リナたちにも神器とは別にユニークアイテムも渡す予定だ」
「理由は……聞くまでもないか」
リナは悲しそうに目を伏せて小さい声で呟いた。
「他に質問はないな? それでは神器を授与する!」
俺は陰鬱な空気を吹き飛ばすべく話を進め、神器の錬成を始めた。
『グローソードの所有者を設定して下さい』
――リナを所有者に設定。
『グローライトアーマーの所有者を設定して下さい』
――リナを所有者に設定。
『グローカタナの所有者を設定して下さい』
――コテツを所有者に設定。
『グローナックルの所有者を設定して下さい』
――タカハルを所有者に設定。
『グローワンドの所有者を設定して下さい』
――サラを所有者に設定。
『グローガントレットの所有者を設定して下さい』
――ヒビキを所有者に設定。
『グローナイフの所有者を設定して下さい』
――カエデを所有者に設定。
「全員に行き渡ったな?」
俺はそれぞれの配下が手にした神器を確認するのであった。
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