第6話 アイドルに何が?
「あいよ。まずは、青い傘の彼女だけど、早乙女果林、本名は、諸原繁子。京都女子学院大学の二年生、20歳。大学に入ってから、オーディションを受けてメンバーに。Cat's-Cat'sは、J Dだけのグループなんだって」
「J Dって、女子大生ってやつか」
「鼻の下、伸びてるよ、おじさん」
「…続けて」
「Cat's-Cat'sは、J Dだけのグループ。だから、メンバーの卒業ごとに新人が加入するんだって」
「卒業したらどうするんだ?」
「そのまま、単体かグループでその事務所に残るか、普通の女の子に戻るってことみたいよ」
「誰でも残れるのか」
「SNSの情報では、本人の意志とか言っているけど、現実には人気の有無とアダルト路線を承諾した者だけが居残るみたいよ」
「アダルトって、AVって、ことか?」
「それも否定しないけど、お色気盛盛、所謂、SEXY路線ね」
「アイドル稼業も大変だなぁ」
「SEXY路線の筆頭株が誰だと思う?」
「赤い傘の女か」
「そう。彼女は、Cat's-Cat'sの第一期生だって。創設メンバーで残っているのは彼女だけらしいよ」
「道理でSEXYなはずだ」
「男って本当にスケベなんだから…。生地代ケチって、覆い隠す部分が少ないだけじゃない。そんな見せ掛けにに騙されんだから、はぁぁ」
「彼氏でもないのに、際どい所が拝めるんだぜ、いい女の露出は、男にとっては大好物なのは、今も昔もさ」
「はいはい」
「花は、ガキっぽくて、見たいとも思わないけどね」
「えっ、僕がガッキーだって。新垣結衣に似てるなんて、言われたことなかったなぁ」
「はぁ~、何て都合のいい耳してるんだ」
「えへぇー。まぁ、大人を誂うのはこれくらいにして、その赤い傘の女は、綾小路紗香、本名は消されて不明だったけど、古参のファンに聞く所によると、野村睦実って言うらしいんだ。歳は、二十、四五位かな。とにかく、綾小路に関しては、事務所の紹介にも掲載されていなくて、謎多き、女って感じかな」
「確かに、胡散臭いな」
「ねぇ~。それと、変な噂がチラホラ」
「スカートからチラチラは歓迎するが、変な噂となると、出来れば関わりたくないもんだね」
「じゃぁ、止めておく。僕は、それでもいいよ」
「冗談だよ、冗談。ほんと、冗談が通じるのか通じないのか読めないぜ、花は…」
「謎めく花ほど、美しい、いい言葉だ」
「誰が、言ったんだ?」
「ボク」
「はいはい、それで、その噂って?」
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