なるべくみのりんをムラムラさせていきたい。そしたら後々楽だから。
「新井、ホームイン!!やりました! 4番棚橋の犠牲フライで3塁から新井が生還! 日本代表に2点目が入りました!!
新井がユニフォームを黒く汚し、ガッツポーズをしながらベンチに戻ります。それをチームメイト達が笑顔で迎える。………新井のお尻が激しく揉まれています!」
「いやあ、今回は25歳以下の若いチームですから。その中で最年長の選手がこれだけガッツのあるプレーと言いますか、そういった姿を見せられると、チームも盛り上がりますよ。……新井君はそういう計算もしながらプレーしているのかもしれませんね」
「ええ、そうですね。先制のタイムリーヒットを放って、2塁にヘッドスライディング。進塁は難しいかと思われた下林のショートゴロの間に3塁へ、ここでもヘッドスライディング。
そして、棚橋のライトフライで本塁へまたしてもヘッドスライディング。ファイト溢れる新井の姿がなんとも頼もしい、非常に大きな追加点が日本に入りました!」
イエーイと言ってハイタッチする俺の無防備なおケツを可愛がるのがチームではやり始めたみたいで、20くらいの若い選手を囮にして、他の連中はやりたい放題。
そしてその様子がバッチリテレビカメラに写し出されて、俺の可愛いおケツが辱しめられる姿も全国中継されてしまっていた。
みのりんが興奮してしまう。
「試合は2回を終わって、2ー0。日本リードで3回表、台湾代表の攻撃です。打順は8番から。ここまで先発の添田は、2イニングを投げて28球。与四死球1。許したヒットはありません。この2イニングを見る限りはまずまずの投球かなと思いますが」
「まあ今のところは抑えていますが、少し全体的にボールが高いですねえ。初回は外野に3つ飛ばされているわけですから、2巡目に入るこの回からが重要なイニングになりそうですね。しっかり先頭を切っていって欲しいですよ」
「なるほど。………3球目を打ちました! ボテボテの当たり! 3塁線に転がっている! サード青竹が前進して、ランニングスローで1塁に投げます!…………あっと! 送球が逸れた! 打ったバッターはこれを見て2塁へ行く!………ノーアウト2塁。記録はヒットとサード青竹の悪送球です」
「いやあ、ちょっと間に合わないタイミングだったんで投げない方がよかったかもしれませんが……ノーアウトだったんでね。先頭打者を出したくはなかったのは分かりますが……」
「あー、そうですねー。打ったバッターは今シーズン台湾で25個の盗塁を記録している選手でした。その俊足のランナーを2塁において、打順は9番キャッチャーのリンに回ります」
「フルカウントから7球目! 低め! ………んー、ボール。……非常にきわどいコースでしたが、主審の手は挙がらず。……9番リンにフォアボールを与えて、ノーアウト1、2塁のピンチです」
最後のボールを捕球したキャッチャーの浦野君が、球審に少し抗議するようにしばらくミットをそのままにしていた。
しかし、レフトから見ていても、アウトコース低めギリギリ構えていたミットより、外に下にボール半分ずつズレてしまっていた。
台湾のバッターがよく見たと言えばそうなんだけど、9番キャッチャーのバッターだったから、バッターの力量を考えたら、そんなきわどいところに構えなくてもよかった気がした。
バッターにしてみれば、ストライクをとられたら仕方ない! くらいの覚悟で見送っていた気がした。
何にせよ、ノーアウトで2人のランナーがいる場面で、1番バッターに回る。
台湾リーグで首位打者を獲得したという左バッター。
ここで繋がれるとヤバいというところだったが、2球目の難しい変化球を打ってくれた。
打球はゲッツーシフトを敷く内野グラウンドに転がったものの、ファースト正面のボテボテな当たり。
ファーストの柿山君がバッターランナーにタッチしてアウトを1つ取るだけで、結果的に2人のランナーを送った形になった。
「1アウト。ランナー、2塁3塁という形になりまして、バッターは2番のチェンです。日本代表の内野陣は前進守備ではありません。ほぼ定位置といっていいポジショニングです」
「まあ、2点差ありますのでね」
一応スクイズがあるかもよと、キャッチャーの浦野君がジェスチャーしながら内野陣と連携を取る。
長めのサイン交換を終えて、ピッチャーの添田君がゆっくりとセットポジションに入る。
目線で3塁ランナーを牽制しながら投じた初球。インコースに速いボール。
それをバッターが果敢に打ちにいく。
ガキッ!
どん詰まりの当たりがショートの正面へ。またしてもボテボテのゴロ。
3塁ランナーがホームに突っ込む。
平柳君が前進してボールを素手で掴むも、バックホームは無理。そのままランニングスローで1塁へ送球。
若干きわどいタイミングになったが、なんとか1塁はアウトになった。
1点は取られたものの、平柳君の見事な打球処理にスタンドから拍手が起こった。
平柳君がちょっと足がもつれて転びそうになるのを耐えながら、ピッチャーの添田君に声を掛けてショートのポジションに戻ってくる。
そして、一応3塁ベースの後ろまでカバーにきていた俺と目が合う。
すると彼は、俺を見つめるなり、あぶねーと俺には届かない声で言いながら、少し安堵の表情を浮かべた。
俺はよくやったと右手とクラブで拍手をして、人差し指と小指を立てる、おキツネコンコンのポーズすると、平柳君も同じくおキツネコンコンをフリフリして、2アウトを確認し合った。
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