穏やかな日常、ならいいな!
第35話
お久しぶりです。ご無沙汰して申し訳ございません。
仕事が忙しかったり、手が空かなかったり、終いには途中まで書いていた作品の入ったPCのデータが吹っ飛んだりといろいろとありました。
とりあえず、今作品から再開をしたいと考えております(ほかはまだですスマン)。
では、よろしくお願いします。
※※※※☆※※※※
先に左腕がギプスから開放されたんだけど、利き腕の右手が使えないので結局不便なのは変わらずで、来る日も来る日も萌々花に甘えっぱなしのお世話されっぱなしが続いている。
ただ、たとえ左手だけでできる様なことがあっても萌々花がやらせてくれないで世話してくるのでついつい甘えっぱなしな俺も不可抗力ってことで無理やり納得してたりするんだ。
でもさ、小さい頃から甘えるっていうのに慣れてなかった俺なのでその加減がわからないんだけど、たぶんこの現状は甘やかされ過ぎで堕落し過ぎなんだろうとはうすうす感じている。
そんなこと言っていながらも俺が変わんないのは、これが沼だから。
萌々花沼。
温かくて気持ちよくて離れがたい。
ズブズブ深みにハマっている……わかっちゃいるけどやめられない止まらないってやつだね? あんたも嵌ってみればわかるだろうけど……。ただ、このポジションは渡さないよ?
さて、一学期の期末テストもなんとかかんとか周りの方々の援護や介助によってやり遂げて、晴れて夏休みを迎えることができた。
ゆってもなにもできない夏なんだろうどね……。けが人に碌な夏はない、よね。多分。
夏休みに突入した直後に左手に続き、右手のギプスは外れたものの夏休み中はほぼ毎日に近いくらい病院までリハビリに通うことになっているんだ。左手より右手は重症度高かったので集中的にリハビリするんだって……。
リハビリ初日に今後のリハビリ予定表を看護師さんにもらったせいで夏休み突入直後に夏休み終了のお知らせをもらったような感覚になって、その日の夜は枕を濡らしてしまったよ。来る日も来る日も通院なんだもの。
「萌々花ぁ~ どこにも遊びに行けなくなったな……ホントすまん」
「え? もう! 漣は相変わらずわからんちんだね。わたしを助けるために怪我しちゃったんだから謝らなきゃいけないのはわたしの方だよ?」
「でもさ……」
「でも、じゃないの‼ もうそういう話はしないって言ったでしょ? はいはい。もうこの話はおしまい」
なんだかいつの間にか萌々花のほうがお姉さんになっているみたいだ。
萌々花の甘ぁい甘いミルクアンドハニーなお姉さんキャラもいいかもしれない⁉
「君方さ~ん! 二番処置室にお入りください」
「ん、呼ばれたな。行ってくる」
今日も今日とて病院で診察だ。それで診察が終わったらそのまま午前中はリハビリになる。
昼過ぎに自宅に帰って萌々花の作ってくれるご飯を食べて――いや食べさせてもらって、夏休みの課題をやったり本を読んだり……あるいはイチャイチャしたりして過ごす。
俺的には多分イチャイチャするのが一番の手のリハビリになるんだと思ったね。
だって……触りたいじゃない? ねえ? ただ真っ昼間からのお触りは我慢しているんだけどさ。中途半端にお預けになるのは必至かと思うと俺の漣くんがオコになるかもしれんしね。
そんな生活を二週間も続けると世間一般的にはお盆休みってやつに突入するらしい。
それは病院だっておんなじ。
外来は救急診察のみになって、リハビリ科は休診となる。
多分にもれず俺もA4の『自分でできるリハビリ運動』ってコピー紙をもらって通院も一週間ほどのお休みに入ることになっている。
ちなみにそのコピー紙は取って付けたようなあまりにも内容の薄いアレだったのでそのまま看護師さんに返却した。ぜひとも裏側をメモ用紙にでも有効活用していただきたいものだ……。
「ねえ漣。お盆の期間中は横浜のお家に帰省するんでしょ?」
「そうだね。この通りリハビリ通院もないし、たまには帰らないと申し訳も立たないからね。特に俺の腕がこんなふうな状況になってからは一度も帰っていないしさ。なあ、萌々花も一緒に行くだろ?」
「そりゃもちのろんだよ。わたしが帰らないでどうするの?」
「おっさんみたいな答えかただな。それにどうするのっていわれてもねぇ⁉ そういえば、ココ何日か萌々花一人で出かけていたけど用事かなんか?」
萌々花は朝からでかけていって帰りは俺のリハビリが終わったあとになったりしていた。
ずっとリハビリに付き合ってもらっては申し訳ないし、友だちとも折角の夏休みなんだから遊んできてほしいんだよね。
毎日どこに行ってきたのか聞くような束縛系男子にはなりたくないので、萌々花が話さない限りなにも聞かない。
すでにどこにいっているのかと聞いておいてお前は何を言っているんだ、とは言わないでくれ。
やっぱり気になっていたしさ……でもすこしだけだよ、本当だよ?
「うん……。まっ、わたしの用事は、一応は、済んだから残りはぜんぶ漣に身も心も捧げるよ!」
「いやいや、俺的にはほんとめちゃくちゃ嬉しいんだけど、萌々花だって友達と遊びたいでしょ?
「え~ 雫ちゃんだって紗織ちゃんだって彼ピいるじゃない? それは絶対に申し訳ないよぉ~」
なんだと? 萌々花がよもや彼ピなどと口にする日が来ようとは………。そういや数ヶ月前までギャルだったんだっけ? 紛い物だったみたいだけどさ。
ああいうのは服飾化粧品代もかかるし、演技自体がしんどいから今後一切やらないって宣言していたけどね。
「いや大丈夫だと思うよ⁉ 拓哉もジンも彼女らと一緒じゃないことよくあるみたいだし? re:inでその当の彼ピ本人が言っていたんだから間違いないよ?」
「そういうことじゃないんだけどなぁ~」
「よくわかんないなぁ~ でも俺ももうそろそろ、ただ遊びに行くぐらいなら腕も動くし大丈夫だと思うんだよね? みんなで遊べばいいよな。何かあった場合には、蹴りで対応すれば萌々花のことは守れるし」
「……なんでわたしが襲われることが前提なのか一〇〇字以内で答えなさい?」
「なんかおかしな男に絡まれるイメージが出会ったときから……ねぇ?」
「……確かに。否めないわね。まあその話は置いておいて、横浜にはいつ行くの?」
そうだ、そもそもその話をしていたんだっけ。
「明日の土曜日まではリハビリあるし、日曜日の午後から出かけて金曜日まででいいんじゃないかな? 次の土曜日からまた通院リハビリ始まるしな」
「ん、わかった。佳子お母さんに連絡しておくね」
※※※※☆※※※※
今後は一話の長さはこれくらいで、少々短くなります。
週に1~2回の更新を目指していますのでお付き合いお願いします。
レビュー、感想、★お待ちしております!
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