第8話:俺とジジィの休戦


シルバーとの決着をつける、約束の日の朝。


瀧は事務所ビルの屋上に冷水を張った大きな木桶を用意し、その横で瞑目していた。


いつものように粋な着流し姿ではなく、褌のみを身に着けた裸同然の格好である。


水入りの桶とは別の手桶を取り、瀧は水を掬って頭から無造作に被る。


二度、三度、四度、五度。


桶の水が空になるまで、瀧は無心で水を被り続けた。


そして大桶が空になると、階下まで桶を運んで、また水を溜める。


屋上にも水道は設えてあるが、瀧はわざわざ一階の物置に据えられた水道まで、水を汲みに下りていた。


そうして水で満たした桶を屋上まで運び、また頭から被る。


それを都合三回繰り返してから、瀧は冷たいコンクリの上で胡座をかいた。


結跏趺坐と呼ばれる、仏教の瞑想の姿勢である。


そうして気息を整え、しばらくするとまた水垢離をする。その繰り返しである。


代田組の怪人たちは、遠くからその様子を眺めている。


もうかれこれ一時間以上も、そうして水を浴び続けているのだ。


よほどの覚悟を持って、シルバーとの戦いに臨んでいるのだということが、怪人たちにも伝わってくる。


やがて瀧は、四度目の瞑想の後にゆっくりと目を開くと、水のかからないよう遠めに置いていたドスへ鋭い視線を送った。


その視線の先にある二振りのドスは、それぞれ虎徹こてつ無銘むめいと銘打たれた、稀代の業物である。


瀧はその二つのうち無銘の方を手にすると、鞘を払いその刀身に己を写した。


数多の人間と怪人を屠ってきたその刃は、あたかも意思を持っているかのような輝きを放っている。


瀧はそれを右手で握ると、反対の手で水垢離に使っていた手桶を掴み、空中へ放り投げた。


桶は不規則に回転し、落下しながら瀧の目前を通過する。


その数秒の間に、瀧の手の内の無銘が鈍色に瞬き、閃いた。


カツンという乾いた音を立てて、手桶はコンクリートに着地する。


それと同時に、タガが外れたかのように手桶はバラリと崩れて、形を成さなくなった。


一歩踏み込み刃を走らせた瀧は、手桶を空中で四等分に分割せしめていたのだった。


それを目撃していた代田組の怪人たちは、みな一様に桶がいつ切断されたのか、目視出来ていなかった。


まさしく神業としか言いようのないドス捌きである。


その後も瀧は、時間をかけてドスの素振りを続けた。


恐らくはシルバーの腕刀のリーチを想定して、払い、受け止め、反撃するまでを一つの型の流れとしている。


その一連の流れにこれまでの容赦はなく、何者をも殺めうる覚悟の乗った一撃であるのが見ただけで分かる。


この場にいる怪人の全員が、瀧の勝利とシルバーの死を、予感せずにはいられない攻撃であった。


見ている側からすれば飽きてしまうほどの長い時間をかけて、ようやく瀧は素振りの挙動を終えた。


無銘を鞘に戻した瀧は、虎徹と合わせた二本のドスを小脇に抱え、階下の事務所へと下りた。


事務所の窓側に置かれた机の上には、常の瀧が好んで着る着物とは違う、真っ白な装束が綺麗に畳んである。


瀧はそれに袖を通し、着物の合わせを間違えぬようビッと音を立てて帯を締める。


それはどこからどう見ても、遺体に着せるものと同じ死装束である。


この場にいる怪人が、多少なれ人間の冠婚葬祭に明るければ、間違いなく驚愕していたことだろう。


しかし、人間社会の常識に明るく、普段なら率先してそれをするはずのアンラッキーは、今ここにはいない。


瀧は机に座ると、腕を組んで目を閉じ、音もなく集中力を高める。


怪人たちもそれを知ってか、誰一人として事務所に近づこうとしない。


シルバーとの決闘の約束をした正午まで、残り一時間を切っていた。


瀧の脳裡に、あらゆる雑念は存在しない。


あるのはシルバーと本気で向き合うという、ただそれだけの意思のみである。


思えば彼と初めて対峙した日、代田組に与することになる怪人の中で最も手強かったのが、他ならぬシルバーだった。


戦闘技術は荒削りどころか、子供が刃物を振り回すのと大差ない技しか持っていなかったのが事実である。


しかしシルバーの厄介さは、死ぬまでこちらに噛みついてくることを確信させる、異常なまでの強さへの執着心にあった。


死なぬ程度に攻撃を受け流し、気絶するまで殴打しても、持ち前のしぶとさで起き上がり、何度でも挑みかかってくる。


逆に言えばそれは、シルバーの与しやすさの裏返しでもあった。


シルバーは、強者との戦闘にしか興味を持っていなかった。


捕食の対象としたり、弱者を虐げるために人を襲う上級怪人とは、そこが一線を画していた。


それだけに、自分が彼の標的でありさえすれば、市民や他の魔法少女にシルバーが目を向ける暇はない。


瀧との勝ち負けを度外視してまで、他の弱い誰かをシルバーが相手する理由がないからだ。


であればこそ、瀧の中でシルバーは、他の怪人たちよりよほど分かりやすい存在であると思っていた。


瀧がシルバーの敵で有り続ければ、他所に新たな敵を作ることはないと、高を括っていたのだ。


それが甘い考えだと知らされたのは、譽に窘められたあの日からに相違なかった。


シルバーは、闘争本能の塊である。


相手が弱かろうが何だろうが、己の愉しみのため切って捨てることに、一切の躊躇が存在しなかった。


本来なら片時も目を離してはならない存在、それがシルバーの危険性であり、ある種の純粋さでもあった。


瀧が鎖を弱めてしまったために、結果的に千仁町の市民や譽にまで迷惑をかけてしまった。


その不始末の責任は、必ず取らなければならない。


シルバーがまだ弱い今だからこそ瀧は抑止力になっているが、ひとたび力をつければ怪人の力は人間を軽く凌駕する。


だから今、瀧は刺し違えてでもシルバーを殺さなければならない。そう覚悟して、決闘に臨むつもりでいた。


正午まで、あと三十分。


その時間になった時、瀧の耳は事務所の外のざわめき声を拾っていた。


怪人たちが、何かに騒いでいるようである。


聞くともなしにその声を聞いていた瀧であったが、ほどなくしてそのざわめきの理由をはっきりと理解した。


事務所の扉を開けたのは、アンラッキーだった。


しかしそこに立っているのはアンラッキーのみで、シルバーの姿は見当たらない。


シルバーのお目付け役として着けていたアンラッキーが、シルバーを置いて来るなどあってはならないことである。


「アンラッキー、おめぇシルバーの野郎はどうしやがったんだ」


「シルバーなら外にいます。こんな直前ですいませんが、俺もおやっさんに聞きたいことがあったんで」


アンラッキーは頭を下げて、そう答えた。


「なんでぇ、聞きてぇことってのは」


「へぇ……おやっさんは、シルバーを殺すつもりでいるんですか?」


怯えた子犬のような瞳で、アンラッキーはシルバーの処遇について尋ねた。


「手抜きして勝てる相手でもあるめぇよ。吐いた唾ァ飲めんのが、この世界の習わしってモンだ」


「そりゃシルバーはろくでもないことしかしちゃいないッスけど、でも何も殺さなくたっていいじゃないですか!!」


アンラッキーの訴えは、これまでのシルバーの行動を見返せば到底まかり通るような論ではない。


それは本人も、重々に承知している。


それでもここで何も言わず、シルバーと瀧を殺し合わせるだけのアンラッキーではなかった。


「こいつぁ、シルバーをおっ放っておいた俺のケジメだ。止めるのは野暮天ってやつだぜ、アンラッキー」


「それでも、俺はおやっさんにもシルバーにも死んでほしくないんスよ……!!」


そんな言葉で止められるなら、ヤクザ稼業など成立しはすまい。


所詮はこの世界、切った張ったの数を競うようなマトモでない業種なのである。


だがシルバーの見張りを頼まれた以上、アンラッキーも今ここで己の意思を通すより他になかった。


「おやっさん、シルバーの野郎、見逃してやっちゃもらえませんか!この通りです!!」


平伏するアンラッキーであったが、それで止まるような瀧であろうはずがない。


「見逃すも何も、先に不義理をしたのはシルバーだぜ。こちとらが咎め立てされる謂われはねぇよ」


尤もなその言い方に、アンラッキーはぐっと言葉を詰まらせる。


「それでも喧嘩を止めてぇなら、お前もそれなりのモン差し出すしかないんだぜ。違うか、アンラッキーよぉ?」


瀧は頭を下げるアンラッキーの前に立つと、ドスの白鞘を抜いてアンラッキーの前に差し出してみせた。


「さぁさ、どうするアンラッキー。てめぇばかり五体満足で帰ろうなんざ、ちぃとばかり了見が甘ェんじゃねぇか?」


瀧は鞘を払ったドスをアンラッキーに渡し、彼がどうするかを窺った。


アンラッキーはその怪しく輝く刃にごくりと唾を飲みながら、白い柄を瀧から受け取る。


そして、ドスを逆手に握り瀧の方を見た。


「もし、今ここで俺が体でケジメつけたら、シルバーへの刃は引っ込めてもらえますか」


震える声で言うアンラッキーに、瀧は大きく首肯した。


「あぁ、いいだろ。男に二言はねえ」


アンラッキーはそれを聞いて、ドスの刃を自分の体へと向けた。


そしてそれを自らの腹につき立てようと、大きく振りかぶる。


しかしアンラッキーがそれを思い切りよく振り下ろした瞬間、瀧の蹴りがドスの柄を捉えた。


その蹴りの直撃を受けて刃を取り落としたアンラッキーに、瀧はいけしゃあしゃあと言ってのける。


「バカ野郎、テメェで死のうって時に目ぇ瞑る奴があるか。死ぬ気なら目ぇかっ開いて死にやがれ」


確かにアンラッキーは目を瞑ってドスを振っていたが、それを焚きつけたのは瀧自身である。


理不尽が過ぎる瀧の物言いに、アンラッキーはいかなる返答の言葉も持つことが出来なかった。


「お前がシルバーの責任まで負う必要はねぇ。後は俺に任せておけ」


瀧は膝をつくアンラッキーを残し、事務所から出ていった。


階段の上から瀧が階下を見下ろすと、そこにはシルバーが背を向けて立っていた。


アンラッキーが先に話を通すため、そこで待たせていたのだろう。


「何してやがる。とっとと上がって来い」


瀧はその背中に、遠慮なく声を投げかける。


シルバーはその言葉に振り向くと、階上の瀧の姿をじろりと睨みつけた。


「なんだぁジジィ、便所磨きの雑巾にでも使えそうなイイカッコじゃねぇか」 


シルバーは既定路線であったかのように、自然な口調で悪態をついた。


「無駄なクチ叩いてんじゃねぇ。いつまで下から俺を見上げてるつもりだ?」


瀧はその挑発に動揺した様子もなく、いつもの調子で言葉を返してみせた。


シルバーは瀧の召し物が、死装束であることを知るはずもない。


それでも着るものがいつもと違っているのを目敏く見つけ、皮肉って見せるだけの頭は持っているようだった。


二人が屋上へ向かうのに合わせ、代田組所属の三下怪人たちもその後に続いた。


その最後尾には、アンラッキーの姿もある。


結局二人の仲をどうすることも出来ず、明らかな落胆が見て取れる。


アンラッキーが屋上へ辿り着くと、三下怪人たちの人だかり越しに、瀧とシルバーが睨み合うように対峙しているのが見えた。


「いいのかよ、ジジィ。約束の正午にはまだ早いぜ?」


シルバーがそう述べると、


「今さら時間をどうこう言う喧嘩でもねぇだろ。こっちはさっさと終わらせて、終ぇにしてぇんだよ」


「お前が怖じ気づいて逃げるってんなら、ケツまくるのを止めたりゃあしねぇがな」


瀧もそう返事をした。


シルバーはその返事を聞いて、ニヤリと笑いながら怪人体へと体を戻した。


「こちとらちゃちなケンカに用はねぇんだよ。一週間も我慢させて、瞬殺なんてさせるんじゃねぇぞ?」


腕の刀を構えるシルバーに、瀧は吐き捨てるように告げる。


「負けっぱなしの雑魚が、粋がってんじゃあねぇぞ。木っ端は木っ端らしく、庭の隅にでも散ってりゃあいいんだよ」


瀧もドスを構えると、二人の視線が空中で混じり合い、白い火花を散らした。


足はどちらともなく動き、二人は一定の距離を保ち続けた。


リーチの優位があるのはシルバーだが、容易に近づけばそんな優位は軽く消し飛んでしまう。


この一週間、果たしてシルバーはどのように過ごしたのか。


男子三日会わざれば刮目して見よ、とは言うが、少なくとも瀧の眼に、シルバーが以前と変わったようには見えない。


油断するつもりはないが、一切の修練もなしに勝てると踏んだなら、とんだ思い上がりである。


もしも本当にシルバーが変わっていないのであれば、勝負はものの数分で決着がついてしまうだろう。


シルバーも、そのことは分かっている。分かっているからこそ何もしないし、何も出来なかった。


ルールのせいで人を殺せないシルバーは、この一週間ろくな戦闘準備が出来なかった。


ただの人間程度ではシルバーの相手にもならないが、問題なのは人目がつく場所で戦い、一般人を巻き込んでしまった場合である。


もしもシルバーの過失で人を巻き込み、人を殺めてしまった場合、どんなペナルティがあるのかはシルバーの認識次第である。


彼の意識が、瀧との約束を違えたことを重く捉えていればいるほど、破った罰則も重くなるのである。


それは時として、シルバー自身の命を脅かすほどの強制力を持っている場合もある。


それを無意識に分かっているからこそ、シルバーは人を巻き込むような戦闘を起こすことが出来なかった。


かといって、わざわざ人目のないところで戦ってくれる敵などいようはずもない。


そうなれば、シルバーが本気を出して戦うことなど到底不可能である。


シルバーはこの一週間、あの手この手でルールを試そうと試みていた。


しかし結果は当然ながら、はかばかしいものとは言えなかった。


結果シルバーは当初の予定通り、ぶっつけ本番で瀧との喧嘩に臨むしかなかったのである。


そのような場合、シルバーは自分から先手を取ることがほとんどであった。


それはもはや、シルバーの癖という以上の気質の問題でもある。


待ちの姿勢は、基本的にシルバーの戦闘スタイルにそぐわないのだ。


しかし今回、瀧はその逆を取った。


シルバーが攻撃の先を取ることを予測し、それよりも早く動いたのである。


これはこの一週間、シルバーがどのように過ごしていたか探る意図も含んでいた。


カウンターで切り込んでくるシルバーの腕刀をかいくぐり、その身体へ絶え間なくドスを突き刺そうとする。


シルバーは反対の腕の刀でそれを防ぎ、今度は瀧の腕を落とそうと下から刃を繰り出した。


瀧はそれを見越して後ろへ飛び退ると、空いていた左手で二本目のドスを抜いた。


二丁のドスは踊るように閃き、驚異の正確さを持ってシルバーの急所を狙う。


それに対してシルバーも、引くことをしなかった。


戦いは一気に沸騰し、スタートからクライマックスの様相を呈していた。


二人の戦闘に周囲の怪人たちは沸いたが、瀧は興醒めに近い感情へ至っていた。


シルバーの戦闘が、一週間前とまるで変わっていなかったからである。


瀧のやり方は言うなれば、無理を通せば道理が引っ込むタイプの古臭い精神論である。


その考えで言えば、一週間も時を預けて変わらないのは、本人の意識の乏しさと言うより他にない。


変わるための努力もせず、死なぬために工夫の一つも施すことが出来ないのならば、生き抜くことは困難な世界なのだ。


それならば、不様を晒す前に殺してやるのがシルバーのためになるとも言える。


瀧でさえそのような考えに支配されている中、一人だけシルバーの優位を疑わず、瀧とシルバー双方の心配をしている者がいた。


それが、アンラッキーであった。


(どうしたんだよぉ、シルバー……なんで本気で戦わないんだよぉ……!!)


アンラッキーはそわそわしながら、二人の戦闘を見ている。


なぜシルバーが本気でないと思ったかといえば、彼はシルバーがルールを使っていないことを知っているからだ。


他の誰にも頼れる人間のいないシルバーは、やむを得ずアンラッキーにルールの概要を説明していた。


と言っても、説明の下手な彼に出来たのは「リスクを負えばそれだけ強くなる」という一点のみである。


それを話した上で、シルバーは一週間の間に、アンラッキーへある一つのルールを実演して見せていた。


それはアンラッキーからすれば、とても正気の沙汰とは思えないものであった。


しかしリスクを負うということに関してのみ言えば、それは間違いなくシルバーの強さを保証するものになる。


シルバーはそれを、さっきから使っていないのだ。


頑固で負けず嫌いなシルバーにとって、まずあり得ないことと言ってもよい。


かといってシルバーも、瀧を侮ってそうしている訳ではない。


今回のルールでシルバーが負うリスクは、なるべくなら使用時間を短く収めたいものである。


それゆえシルバーは、なるべく瀧の体力を削ってから、短期決戦に持ち込もうと目論んでいた。


凌ぎ削るだけなら、ルールに頼らないこれまでのシルバーの能力でも可能なはずだった。


しかしその思惑は、瀧の力の前に軽くねじ伏せられていた。


短期決戦を望むのは、瀧も同様である。


そのため瀧は、体力の配分を考えることなく攻め切るつもりで攻撃していた。


それ自体はシルバーも望むところであるが、瀧の実力を考慮すると、そのうちシルバーの方が凌ぎきれなくなる可能性もある。


瀧の体力切れを待つつもりは、シルバーにはない。


それでは本当の意味で、瀧を制したとは言えないからだ。


そこでシルバーは、瀧を引き剥がすためにとある一計を案じた。


腕の刀に隙を見せてわざと踏み込ませ、今度は足を刃へ変化させて振り子のように振り上げたのだ。


瀧はその大振りの攻撃を、大きく一歩退くことで避けて見せる。


これは、譽と戦った時にも見せた技であったため、比較的簡単に対処できた。


あくまで間合いの調節のために放たれた技であるため、シルバーからしても当たらずとも良しという気構えである。


「や〜っと離れやがったか。小競り合いじゃお互い満足しねぇだろ」


正午近い晴天の屋上で、シルバーはこれみよがしに刀の切っ先を振るっている。


「抜かせ。チンタラやってっと、本気で素っ首落としちまうぞ?」


並の怪人なら怯え逃げ惑う瀧の恫喝も、シルバーは慣れたものである。


「なんだぁ?まるでこれまで本気じゃなかったとでも言うようなクチだな。俺も舐められたもんだぜ」


「だがまぁ、ジジィが本気出すってんなら俺もそうしてやるとすっかなぁ」


シルバーは肩をぐるぐる回すと、両腕をだらりと体の横に垂らした。


一体シルバーが何をするつもりなのか、その場にいる誰もが分からなかった。


ただ一人、アンラッキーを除いて。


(ついにやるのか、シルバー……)


そのルールを知るアンラッキーは、思わず目を背けてしまっている。


シルバーの苛烈なルールを知ればこそ、彼は瀧とシルバーの喧嘩を止めようと動いていたのだ。


しかしそれが叶わなかった今、彼に出来ることはもう何もない。


瀧も、シルバーが何をするのか一通り見届けるつもりであった。


本来なら、敵が本気を出すのを待ってやるほど、お人好しでもない。


しかし今回に限っては、譽にシルバーを託されたという理由がある。


シルバーの全てを出し切らせて、なおかつ自分が勝つのでなければ、シルバーの溜飲は下がらないと瀧は考えた。


そのため瀧も、シルバーのやることを静観していたのだった。


だがそれは、瀧にとってあまりに予想外の効果を持つことになる。


シルバーは数度深呼吸をすると、自分の右腕の刀を、左肩へと無造作に突き刺した。


「……ッ!?」


瀧のみならず、その場にいた怪人たち全員が絶句し、息を飲んだ。


なんとシルバーは、自分の左腕をそっくりそのまま、躊躇なく切り落としてしまったのだ。


「テメェ、何を……」


目を見開く瀧に目もくれず、シルバーは右腕を刀から手へと戻し、刀状の左腕を掴んで構えた。


「左腕を切り落として武器に使う……これが俺の『ルール』だ……!」


シルバーは痛みに顔をしかめながら、それでも刀を前へ差し出す。


シルバーがこのルールで負ったリスクは、主に三つ。


左腕を落とすことで、欠損した肉体で戦うリスクを負う。


右腕を人間の手に戻さなければならないため、右腕も武器として使えない。


そして腕に傷を負うことで、失血死するリスクを背負わなければならない。


それはいかに怪人といえど、命を懸けなければならない重いルールである。


それをシルバーは、瀧という決して勝ちを外せない相手に対し、ぶっつけ本番で行ったのだ。


「さぁジジィ、こっからが本番だ。負けて死なねぇよう、せいぜい足掻いて見せろや!」


言うが早いがシルバーは、右手に握った刀で瀧へ斬りかかろうとした。


シルバーとアンラッキー以外の全員が、なぜ腕を切り落としたのか分からないままだった。


そして分からないなら分からないで、シルバーにとってそれは有利に働く。


瀧の混乱に乗じて、攻撃を成功させることが出来るからだ。


殺さぬ程度に深手を負わせることが出来れば、それで勝負の大半は決するだろう。


しかし瀧は、ドスを二丁とも屋上の地面へ落としてしまった。


そしてシルバーの刀が振られるより早く、左手でそれを素早く握りしめた。


「シルバー!!こいつぁどういう了見だ、オォ!?」


瀧はものすごい剣幕で怒鳴ると、シルバーの刀を強く握りしめた。


刀は指に食い込み、溢れる鮮血が刃を滴って赤く濡らしていった。


それは、これまで如何なる場合も見せたことがないほどの、瀧の怒りであった。


シルバーが瀧の手の中で刃を滑らせれば、瀧の指は牡丹の花よりも容易に落ちるだろう。


しかしシルバーは、瀧の渾身の握力に、刀を動かすことも出来ずにいた。


「シルバー、俺はどういう了見だと、そう聞いてんだ。黙ってねぇで何とか言いやがれッ!!!」


そうする間にも、瀧は怒気だけをますます膨れ上がらせていく。


「このためだけに腕なんざひっ剥がしやがって。テメェは後先考えねぇ大馬鹿野郎か!!」


瀧は握っていた刀を、放るように離す。


シルバーには、なぜ瀧がこんなにも怒っているのか分からない。


価値観の違いもあるが、それでなくともヤクザにとって、腕と引き換えに目的を遂行するのは悪いことでないはずである。


「何をキレてやがんだよ。腕だって二度と戻らねぇワケじゃねぇんだぞ?」


「……なんだと?」


「ほらよ」


シルバーは、切り取った腕の根本を再び肩口へ押しつける。


すると、ぐちゅりと音をさせて腕の付け根の細胞同士が結合しようと蠢いていた。


ダービードールとの戦闘の折に、切断した指がすぐに接着出来ることは証明済みだった。


加えて、これまで彼と戦った者たちは、みな捨て身の戦法を得意とするものばかりだった。


シルバーはそれを参考に、切り取った腕を武器として使うことをルールとした。


失血で死ぬまでに腕を戻す、という時間制限のルールである。


アンラッキーからは狂っていると恐れられたものの、裏を返せばルールとしてはそれだけ的を射ていることになる。


問題があるとすれば、失血死するまでにどれだけの時間がかかるか、正確なところは把握していないことである。


少なくともシルバーは、このルールを駆使して瀧に負けることはないと感じていた


それが思わぬ枷になることなぞ、知る由もないことだった。


瀧は血が滴り落ちる手でもって、顔を押さえていた。


その顔は蒼白になり、とてもそれまで激しく戦っていた人間とは思えない。


喧嘩の手を止めてしまってからの瀧は、明らかに様子がおかしかった。


そしてあろうことか瀧は、屋上のコンクリートの上へ、へたり込んで座ってしまったのだ。


「……すまねぇ、取り乱しちまった」


そんなこまで言い始める始末である。


これまでシルバーは、瀧から謝罪の言葉を貰ったことなど一度としてない。


ましてや喧嘩の途中で武器を取り落とし、手を止めて座り込むなぞ、あってはならないことである。


瀧が何に対してここまで取り乱したのか、その場にいる誰にも不明瞭が過ぎた。


それまでと明らかに違ってしまった瀧を、皆が固唾をのんで見守っている。


シルバーでさえ、戦う動きを止めて瀧を見るしか出来ずにいた。


「シルバー、とりあえず今はその腕、治しとけ。今日はもう喧嘩なんぞやる塩梅じゃなくなっちまったよ」


急に老け込んだようにさえ見える瀧は、後方の怪人の群れに目をやった。


「アンラッキー!事務所に俺の煙草とマッチが置いてある。持ってこい!」


「えっ!?でも、先に血ィ止めた方が……」


「四の五の抜かすな。いいからさっさと持ってこねぇか!」


「へ、ヘイ!」


アンラッキーが慌てて階下へ下りたのを見届けて、瀧は他の怪人たちへも声をかけた。


「お前らも、全員こっちへ来な。話しておきてぇ事が出来た」


その言葉に、二十名余りの怪人たちがゾロゾロと瀧を取り囲んだ。


シルバーは輪の外からそれを見ているつもりだったが、


「シルバー!お前はこっちに来い」


そう命じられ、やむなく怪人たちの作る輪の中心へと居座った。


そうしてアンラッキーが帰ってくるまで、瀧はじっと黙して何も語らなかった。


「おやっさん、タバコっす!」


やがてアンラッキーが煙草を持ってくると、瀧はそれを怪我していない方の手で受け取った。


それへ火を着け、深く煙を吸い込んでいる間、アンラッキーはついでに持ってきたタオルを瀧の怪我した手に強く巻きつけて、止血した。


「さて、何から話したもんかな……」


瀧は煙草の煙をくゆらせながら、思案していた。


煙草はみるみるうちに短くなり、灰を膝の上にぽとりと落としていく。


そして一本目の煙草が全て灰になる頃、瀧はようやく語り始めた。


「譽の奴が、俺の本当の孫じゃねぇって話はもうしたな?」


瀧の言葉に、シルバーは譽の顔を思い出して面倒くさそうに頷く。


切れた左腕はもう繋がりかけており、怪人の回復力の高さを如実に現していた。


「譽は代田組の先代組長、素卯鷺山しろうろざん組長の孫娘だ」


「先代は立派なおとこでな。戦後の混乱期に起こった怪人との争いを諌め、街の衆からの信頼も厚い、正に昭和の大侠客てぇやつだった」


「だが、親が偉けりゃ子が腐るとでも言うのか……組長の跡取り息子の素卯因羽しろういなば、こいつがとんでもねぇロクデナシだった」


「女を罠にかけて風呂に落とし、囲って客を取らせて孕ませて、ついには殺しちまうようなゲス野郎だったのさ」


聞くもおぞましい言葉を、瀧は淡々と話していく。


闘争以外の事象に興味を示さないシルバーでさえ、殊更に真面目くさった顔で瀧の話を聞いていた。


「一体いつからそんなことになってやがったのか、親父さん……組長含め誰も気付かなかった」


「俺ァその時分、まだケツの青いガキだったが、それでも親父さんが気に病んでいたなぁ知ってた」


「親父さんも、口より先に手が出る人間だったもんでな……因羽の野郎を、死ぬ寸前までタコ殴りにしたことも一度や二度と言わずあったもんだ」


「それがいつしか因羽の性根を歪ませて、親父さんたち一家全員に亀裂を走らせっちまったのさ」


瀧は感慨深げに語り、フィルターだけになった煙草を地面に擦りつける。


そして新たに一本取り出し、再び火をつけて煙を胸に呑んだ。


「ある日、親父さんは俺を病院に呼び出した。入院してたのぁ知ってたが、俺はてっきり因羽のことで体壊しちまったんだと思ってたんだ」


「だが、そうじゃなかった。親父さんは、テメェの内臓をバラして質入れして、可能な限りの金を工面してたのよ」


「そしてその大金を俺に渡して、『因羽の始末を頼む』と、俺にケツ持ちを頼んで来たのさ」


まるで昨日のことのように、瀧は明瞭な記憶を語って聞かせる。


「親父さんは、その時もうテメェの死に時を悟ってたんだろうなぁ……見るからにやつれて、今にもおっ死んじまいそうな塩梅だった」


「だからこそ五体満足な俺に因羽のことを頼むと、三下のぺぇぺぇのガキに頭下げたのさ」


皆が皆、何も話さず瀧の話に聞き入っていた。


瀧以外の誰も何も言わず、黙りこくっている。


「因羽の野郎ァ、その時医者とグルんなって孕ませたガキ売り捌いてやがった」


「俺は因羽を始末するため、関係のねぇ病院関係者や、罪のねぇ母親連中にまで手をかけた」


「波藤産院事件って調べりゃあ、今でも未解決事件として捜査のやり玉に挙がってるはずだぜ」


シルバーはすっかり忘れていたが、その事件はシルバーが以前テレビを見ていた時、過去の未解決事件として報じられていたものである。


しかし仮に覚えていたとしても、まさか瀧がその犯人だとは思いもしなかっただろう。


瀧はそこで言葉を切ると、ぐるりを見回して怪人たち一人一人と目を合わせた。


「因羽を殺し病院を去る前、俺は死体からきっちり同じ重さの体の部位を切り取って、酔狂な怪人のやったことと偽装してみせたのよ」


「そしてあろうことか、何の咎も持っちゃいねぇ産まれたばかりのガキまで殺そうとした」


「そうまでしねぇと、モツまで売った親父さんの侠気おとこぎに応じられねぇと思ったからだ」


「ま……ガキのタマまで取るような外道、さすがに思い留まったがな。そのガキのうちの一人が、因羽の実の娘、譽だったつぅ訳だ」


一瞬、痛みに顔をしかめたような表情になりながらも、瀧は語ることを止めなかった。


「やったことに後悔はねぇ。死んで地獄なら、親父さんも本望だろうと思っていた」


「だが、俺を待っていたのは誰の頭でも絵図を描けねぇ、無惨な現実ってやつだった」


「俺が因羽を殺した翌日、親父さんは病院で殺されて息絶えた。しかも殺したなぁ人間じゃねぇ、怪人だった」


「俺が見たのは、首と胴体の切り離された親父さんの死体と、その脇で真っ二つにされた怪人の姿だった」


「その怪人は片腕のねぇカタワの怪人で、俺には親父さんがそいつと相討ちになったってことしか、分かりゃしなかったのよ」


瀧は、タオルの巻かれた手をめくらめっぽうに強く握りしめた。


そのせいで、血の止まりかけていた傷口に新たな赤色が滲む。


「やられた、と思ったな。親父さんはさっきも言ったとおり、人間と諍いを起こす怪人を退治してやったことが何度かあった」


「そいつが親父さんにやり返すために、何かしでかしたってぇのは考えられるハナシだった」


「だが親父さんは、俺に手を汚させるまでもなく、手前で怪人を倒して逝っちまった」


「俺ァ二人の間に何があったか何も分からねぇまま、親父さんを送るしか出来なかったのよ」


瀧の煙草を吸うペースが、ますます早まった。


既に箱の中には、数えるほどの本数しか残されていない。


「シルバー。お前、輪島の野郎を覚えてっかよ?」


「お、おォ……」


忘れたくても忘れるはずがなかった。


彼の「腕を切り落とす」というルールは、他ならぬ輪島と譽を参考にしたものだからだ。


「俺が輪島を遠ざけたのも、奴がいると親父さんを殺したカタワの怪人のことを思い出しちまうからだ」


「何のこたぁねぇ。俺ァあいつのことを考えて組から外したんじゃなく、単にテメェ可愛さでそうしただけだったんだよ」


「分かるか?俺がどれだけ身勝手で、他人のことなんざ考えて来なかったかがよ」


その言葉を遮ったのは、アンラッキーだった。


「で、でもおやっさんは、俺たちのこと考えて怪人を集めてくれたじゃないッスか!!」


アンラッキーは目に涙まで溜めながら、瀧の言うことを否定しようとする。


しかし瀧にしてみれば、それすらも自身にとって納得行く言葉ではなかった。


「俺が本当にせにゃあならなかったのは、何が何でも因羽にアタマ下げさせて、親父さんとの仲を持つこと。それだけだ」


「それ以外は何をしようが、なんもかんも豚の偽善にしかならねぇんだ。すまねぇな、アンラッキー」


アンラッキーは下唇を噛んで、耐えるしか出来なかった。


彼ら代田組の怪人たちが、瀧へ感謝しているのは事実である。


しかしそれを伝えたところで、瀧本人にそれが伝わらないのであれば無意味である。


瀧はまたしばらく思案すると、コンクリへ直に下ろしていた腰を上げた。


そして何を思ったか、怪人たちの輪から離れて屋上の階段を下ってゆく。


「おやっさん、どこ行くんスか!?」


「すぐ戻る!ちぃと待ってろ!」


そう言って瀧は、しばし姿を消した。


数分後、戻ってきた瀧は、長方形の看板のようなものを持って来ていた。


怪人たちがその板のぶん、大きく間隔を空けて座ると、瀧はその中央にその何かを静かに置く。


それは、事務所の組長の席の背後に掲げてあった、書の入った額縁であった。


その中には、達筆な筆文字で「捨身飼虎」との四字熟語が書かれている。


「この額はよ、先代組長の親父さんが、自分の手で書いたもんだ」


「『しゃしんしこ』と読むらしいが、元は餓えた虎に体を差し出す、お釈迦様のありがてぇ慈悲のことを指すらしい」


「だが、親父さんの教えは違った。親父さんは、虎を前にして逃げるなと、捨身になってかかれと俺たち組員に教えたもんよ」


「けどなぁ……俺は、逃げた。因羽からも親父さんからも、そしてシルバー、お前からもだ」


ついに煙草を切らした瀧は、手癖のようにマッチを取り出して、一本一本ポキポキと折り始めた。


「お前が躍起になってケツ追った極道は、所詮この程度のしょうこともねぇ生き腐れよ」


「俺を越えりゃ強くなれると思ってるようだが、腐った青物なんざわざわざ相手にするこたぁねぇんだ」


瀧はマッチを折る手を止め、シルバーの肩へ優しい手付きで手を置いた。


「強くなりてぇって野郎に、強くなるななんてぇ酷たらしい台詞は俺だって言えやしねぇさ」


「だが、弱くってもいいじゃあねぇか。弱いってこたぁ、人間社会に溶け込めるかもしれねぇってこったろ」


「そいつぁ他の怪人にゃ出来ねぇ、この組の傘に入った怪人だからこそ出来ることなんだぜ?」


瀧の言葉尻は、いつになく穏やかで柔和である。


それがシルバーの目には、嫌にまともで普通の人間の物のように見える。


いつも放たれているギラギラした生命力のようなものが、今日の瀧からは全く感じられなかった。


「何も無理して俺の後に着いてくる必要はねぇ。もういっぺん、自分の行く道のことをよっく考えてみな」


「俺はお前が追うほど、真っぐ生きちゃ来なかった男なんだからよぉ」


瀧はそこまで語ると、立ち上がって階下へ去っていこうとした。


しかしもちろん、シルバーがそんなもので納得するはずがない。


怪人の輪を割って去ろうとする瀧の背中に、シルバーは怒鳴りたてる。


「ふざっけんじゃねー!!自分から焚き付けておいて諦めろだと?ナメんのも大概にしろ!!」


「どうしても止めさせてぇなら、テメェで命差し出してみろや!!」


怪人体となって腕を刀に変え、シルバーは鋭い切っ先を瀧へ向ける。


「そうさな……ここで俺が引くのも、てめぇには納得いくめぇな」


「代わりと言っちゃ何だが、エンコでも手でも腕でも、てめぇにくれてやる」


瀧は言い放つと、シルバーの刀へ向かって自分の手のひらを添え、ずぶりと押し込めた。


あまりにも予想外な瀧の行動に、シルバーの方が却って動揺してしまう。


瀧は痛みに顔をしかめるでもなく、平然とそれだけのことをやってのける。


「なっ……何してやがるッ!?」


「行きがけの駄賃よ。こんなもんで良けりゃ好きなだけ持ってけや」


このままシルバーが腕を左右に振れば、瀧の手は本当にめちゃくちゃになってしまう。


だがそんなものは、当然シルバーの望むことではない。


シルバーにとって重要なのは、彼と我のどちらが強いか、それだけである。


それを無視して体の一部を渡されたところで、それには何の意味も価値もない。


シルバーは打ちのめされたような心地で、瀧の手のひらからスッと刀を抜いた。


「クソが……戦う前から負けてんじゃねぇよ!!」


ギリリと歯を噛み、シルバーは言い表し難い感情に苛まれていた。


怒りでもあり、屈辱でもあり、敗北感でもあり、そしてそれらを越えた人間的な感情でもあった。


「カカカ……いいじゃねぇか。てめぇにくれてやれる唯一の白星だ、有り難く頂戴しとけ」


瀧はぼたぼたと血を落とす手のひらを握りしめ、今度こそ本当に、屋上から姿を消した。


後に残された怪人たちは、何一つ語らうことなく、その寂寞とした背中を見送っていた。



≪続く≫

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