第14話
7月に入った!
いよいよ私の借金返済プランが始動する時がきたのだ!
南守飛鳥から放課後時間を作るから指定した場所に来るようにと昼食後に言われている。
間違いなく、お仕事の話だろう。
生徒会室に行くと南守飛鳥だけが居た。
相変わらず、少し厳しい目つきをしている。
修二と話すときは、そうでもないのに私に対しては特に当たりが強い。
まぁ、私にも悪かったところがあるっちゃあるんだけどね。
でもさ、なんかこの人って敵対したくなるオーラっていうか……よくわかんないけどなんかあるんだよ。
仕方ないよね、誰しも合わない人って居るわけだし!
それが、たまたま私にとって南守飛鳥がそうだったとしか言いようがないのだ。
「先ずは、きちんと来てくれてありがとうございます」
ほらね、全然目が笑ってない。むしろ睨まれていると言ってもいいくらいである。
「うん。要件って仕事の事でいいんだよね?」
「はい。申し訳ありませんが仕事は紹介できなくなりました」
「なんで、そんな意地悪言うの!」
やっぱり南守飛鳥は敵だ!
友好関係を結びたいとか言ってる人が言うセリフじゃない!
「いくら我が校が比較的規律に対し緩い学園とはいえ最低限の学力を示してもらわないことにはアルバイト等の許可は出ません!」
「へ……なにそれ?」
「いったい貴女は何を勉強なさってきたのですか! 全ての教科で赤点なんて劣等生もいいところではありませか! 編入試験に不正があったのではないかと疑われてるんですよ! まったく、取り繕うのにどれだけの労力を注いだことか! 少しは反省と言う言葉を覚えてください!」
あれ? なんか話の雲行きが怪しくなってきた気がする。
「え~と。なんかまずかったのかな?」
「まずいなんてものじゃありません! これ以上本宮さんに負担を強いるようなことは即刻止めるべきです!」
「だ、大丈夫だよ! 隊長も、修二は頼れるヤツだって言ってたし。私の事見捨てたりなんてしないもん!」
「その隊長さんの信頼を地に落としているのは、いったい誰ですか!?」
「……もしかして、私?」
「もしかしなくても貴女です! 夏休みともなれば学生にとって稼ぎ時。そのすべてを補習にあてる事でなんとか場を収めてきたのです。まったく付き合わされる教師の身にもなってみなさい!」
あれれ。もしかしなくても悪いのは全面的に私?
「ちなみに私が働けるとしたらいつからになるのかな?」
「すべては貴女の努力次第と言ったところでしょうね。他に何か言いたいことはありますか?」
「んと……なんとかならないのかな」
「他の方に代わってもらうべきだと言う話も出ているのですよ! 貴女の返答しだいでは、それが事実となると覚えておいて下さい!」
「そんなの、こまるよ!」
それこそ私を推薦してくれた隊長さんに申し訳が立たない。
「でしたら、今日からはしっかりと勉学に励むことを約束してから帰って下さい」
「わかりました……」
勉強なんて、いかにもやってますアピールだけしとけばいいと思ったのに……
まさか、こんなことになっちゃうとは……くすん。
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