第2話 正義とはポリシーであってウルトラマンじゃない

 やあ、おいらです。


 前回のおいらの檄文を読んでくれてありがとね。えっ、読んでない? じゃあきみはなんでここにいるのよ。時を戻しな。


 さて、おいらはこの作品のタイトルに「正義」という言葉を使ったけれど、みなさんは、おそらく「正義」って言葉の意味を間違えていると思うから、そこから話すよ。


 ねえ、「正義」の対義語ってなんだと思う? 普通は「悪」だと思うよね。でもね、現実の世界を考えようよ。単純に「正義」と「悪」ってオセロゲームのように白黒はっきりしてるかい? してないよね。子ども向けのテレビだって、昔は仮面ライダーが「正義」でショッカーが「悪」だったけど、平成・令和の仮面ライダーは「正義」であるはずの仮面ライダー同士が戦ってるんでしょ? ごめん、観たことないんで想像で話しているんだけど、あってる? まあ、あれはさ、たくさんの仮面ライダーを出して、ママさんたちにイケメン俳優をサービスしているという制作者の意図があからさまなんだけど、そういううがった見方を無視すると、「正義」の対義語は「別の正義」ということになると思わない? だいたい、今度はウルトラマンで例えるけど、ウルトラマンや人類にとって怪獣は「悪」、宇宙人も「悪」だけど、怪獣からしたら、ただ生きてるだけなのに、デカくて危ないって理由で処分されちゃっているわけ。これって現実のくまやサル、イノシシなんかが市中に出没して、警官が無駄に走り回って、最後は地元の猟友会の人がライフルで射殺するのと一緒。宇宙人だって、地球を侵略しなければならない宇宙人なりの理由があって侵略してきているんだよね。別に地球人を大量に殺して欲望を満足させたくて、わざわざ来ているとは思えない。だって、宇宙人は地球人にはできない遠距離宇宙旅行ができるほど優秀なんだよ。理性だって地球人より進んでるよね、たぶん。


 つまりね、「正義」というのは単純に「悪」を倒すという意味ではなくて、一人一人の行動の基礎になっている「ポリシー」だとおいらは思うわけ。だからそれは千差万別であって、例えば「マスク警察」とか「コロナ警察」なんていうハタから見れば行き過ぎた行為も、やっている人間にとっては「正義」なの。

 と、いうことは俯瞰的に見れば「正義」=「悪」だということになる場合も大いにある。


 ただ、間違えないで欲しいのは、それでもやっぱり心の中に「正義」を持ち、それを基本として行動して欲しいわけ。しかし、その「正義」は絶対ではない。だから、様々な情報を意識的に得て、「正義」をよりよいと思える方向にバージョンアップしていかなければならない。これは自己責任だから、もしかすると自分の「正義」が大多数の「正義」つまり、より絶対に近い「正義」からは遠く離れた「悪」になってしっているかもしれない。その時は刑務所に入るか死刑になって自己責任を果たすことになる。これが、正常な人間世界だと思うのさ。きみはどう? 反論は自由だよ。それがきみの「正義」に基づくモノならね。


 でも、現実世界はそうなってないでしょ? トランプとかプーチンとか習近平とか金正恩とかミャンマーのミン・アウン・フライン最高司令官とかさあ、国の指導者の多くの「正義」が日本人から見たら間違ってるわけ。


 おかしいでしょ?


 だから、若い人たちに世界を正しい方向に変えて欲しいんだよね。まあ、いきなりはできないだろうから「隗から始めよ」でちょっといいことしてみれば? それで世界はたぶん変わるはずだよ。


 なお、おいらの「正義」により、「宇宙は不条理な世界だから、『絶対』という言葉を使える事象は一つしかない。それは人間は『絶対』に死ぬ、という定理である」に基づき、断定する発言は極力使話ないんだ。ただ、未来には人間が死ななくなっているかもしれないし、実は公表されていないけど既に世界のどこかに不死身の人間がいるかもしれないから「おいらの知る範囲では」という注釈が必要になるかもね。


 ではまた。

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