2#風船探しタイムリミット5分、4分

 1分経過。


 「えーーーっと・・・

 風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船・・・」


 野良猫のボクは街の中を駆け回って、愛する白猫のヤンが欲しがってる『風船』を探しまわった。


 「風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船・・・」



 路上、


 公園、


 学校、


 木の枝、


 ゴミ捨て場、


 建物の隙間、


 家の庭、


 店のまわり、


 商店街、


 駐車場、


 用水路、


 街の隅から隅から隅まで隅まで、野良猫のボクは『風船』の有りかを探して、探して、探して、探して、探して、探して、探して、探して、探して、探して、探して、探して探しまわった。


 「ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!

 何処にも何処にも何処にも何処にも何処にも『風船』が無いよぉぉぉぉぉーーー!!」




 2分経過。


 「風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船風船・・・

 

ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!ない!

 きりがない!!うにゃーーーー!!」


 野良猫のボクは、やけになって空き地で寝そべった。


 「ん??」


 

 ふうわり・・・



 「あれは??」


 ボクは寝そべって見てた空に、ピンク色の風船が飛んでいくのを見つけた。


 「風船だにゃーーーーー!!」


 ボクは慌てて飛び起きると、青空にフワフワ浮かんで飛んでいく黄緑色の風船を必死に追いかけた。


 「風船まってぇーーーーーー!!」


 ボクは歩道を駆け、


 裏道を通り、


 塀の上を駆けぬけ、


 家の屋根から屋根を飛び越え、


 川の欄干を渡り、


 車道にうっかり飛び出して、車に危うく轢かれそうになり、


 よそ見して、通行人にぶつかったり、


 飼い犬にぶつかって吠えられたりしながら、


 飛んでいく風船を、何処までも何処までも何処までも何処までも何処までも何処までも、追いかけていった。


 「風船まってぇーーーーーー!!」




 

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